キャラクター権泥仕合

今週の「土曜ワイド劇場」は「明智小五郎VS金田一耕助」です。
まぁTOKIO出演のバラエティドラマと捉えるべきでしょうね。
警視監団時朗が拳銃自殺するそうなので、わたし的にはそっちの方が気になっています。

団時朗は、1970年に東京12チャンネルで放送された「明智小五郎」で、怪盗黄金仮面を演じています。金鉱山で奴隷のように酷使され、たったひと粒の金を盗んだために罪人として全身に入墨を彫られ、その恨みのために世界中の金を無価値なものにしようと企む怪盗。設定には「007 ゴールドフィンガー」の影響が感じられますが、なかなか魅力的なキャラです。
そして翌年には「帰ってきたウルトラマン」に主演することになります。

DVD帰ってきたウルトラマン VOL.1

DVD帰ってきたウルトラマン VOL.1

言い忘れてましたが、明智は滝俊介という俳優が演じていたそうです。

が、「土曜ワイド」の明智といえば、天地茂の「美女シリーズ」が有名でしょう。

こちらでは怪盗黄金仮面は伊吹吾郎が演じています。


原作では、黄金仮面の正体はフランスから来たアルセーヌ・ルパンなんですけどねぇ。

江戸川乱歩全集 第7巻 黄金仮面 (光文社文庫)

江戸川乱歩全集 第7巻 黄金仮面 (光文社文庫)

戦前の日本は著作権に関する国際条約を批准していなかったので、翻訳はすべて正式な版権を取得していない海賊版でした。
この作品はいちおう乱歩の創作ですが、無断でルパンの名前を使っているため、本国のルブラン側にばれたらやばかったことでしょう。

しかし、この問題に関してはルブランもあまり強くはいえません。

モーリス・ルブランは、この作品に勝手にシャーロック・ホームズを登場させてコナン・ドイルの遺族からクレームをつけられ、ホームズの名前を「ショルメス」に変えて別人にしています。
まぁ内容を見るとホームズにしては間抜けすぎるので、クレームもやむなしという感じですが。

ルパンものは、日本では少年向けに修正したものがいくつもの出版社から出ています。
それらの中ではシャーロック・ホームズの名前で出ているものもありますが、オフィシャルなものではショルメスになっています。


上海では「クレヨンしんちゃん」の海賊版が本物より先に商標登録されていたそうですが、こういう問題は昔からあった、ということでしょう。


ウルトラマン」に話を戻すと、海外でのキャラクター権をめぐって円谷プロとタイのチャイヨープロの間で争われていた裁判で円谷サイドが負けたために、タイでは勝手にウルトラマンを作っていいことになってしまいました。
3号くらい前の「映画秘宝」に載った、ムエタイポーズのウルトラマンの写真にはインパクトがあります。
しかも、タイのウルトラマンショーには見た事のない宇宙人が出ています。
被爆した宇宙人が吸血鬼化して地球人の女性を襲う」というストーリーにクレームがついて欠番となった、「ウルトラセブン」第12話「遊星より愛をこめて」に登場するスペル星人です。

DVD ウルトラセブン Vol.3

DVD ウルトラセブン Vol.3

このDVDにも収録されてないし、怪獣図鑑にも載っていないので、わたしも見たことがありませんでした。

こいつが堂々とステージに上がっているという・・・
タイはおそろしい国です。