プロレスへの遺言状

プロレススーパースター列伝』世代にとっては忘れがたい人物である、ユセフ・トルコが亡くなりました。


http://www.nikkansports.com/battle/news/p-bt-tp0-20131107-1214785.html

名レフェリー、ユセフ・トルコさん死去

 日本プロレスでレスラー、レフェリーとして活躍したユセフ・トルコさんが10月18日、栃木県内で亡くなっていたことが分かった。82歳だった。死因は親族の意向で発表されていない。54年に日本プロレスでレスラーとしてデビューし、72年の新日本プロレス旗揚げにも尽力。レフェリーとしても80年の猪木対ウィリアムスの異種格闘技戦も裁くなど活躍した。05年に旗揚げされたリアルジャパンでもレフェリーを務めるなど元気な姿を見せていた。関係者によると、生前の本人の意向で、お別れの会などは行わないという。

日本プロレスでレスラー兼レフェリーとして活躍し、入門当時の猪木と馬場をシゴいた鬼コーチとして知られています。というか、『列伝』が書かれた当時は梶原一騎のプロダクションに所属していたので、その縁で出てきただけのような気もしますけどね。他の資料だとトルコがコーチだったなんて書いてないんだよなぁ。

プロレススーパースター列伝 (5) (講談社漫画文庫)

プロレススーパースター列伝 (5) (講談社漫画文庫)

もちろん、ぼくも世代的にこの人の試合を観たことはないので、レスラーというよりは梶原漫画のキャラクターとして認識している状態でした。


訃報を伝える記事の中では、gryphonさんのこのエントリがいちばん言い得て妙だと思います。


神話と虚実と駄法螺と…ユセフ・トルコ氏逝く - 見えない道場本舗 神話と虚実と駄法螺と…ユセフ・トルコ氏逝く - 見えない道場本舗

「男の星座」では、自身の地位の浮き沈みや空手・プロレスとの距離感が時々かわる梶原一騎(梶一太)との、お互いに利用価値を値踏みしながらの・・・虚虚実実ながらもユーモラスな駆け引き…を展開する一方、重要な情報を「ついうっかり」しゃべってしまうことで話を大きく動かす役目をしていた。

本当に「梶原一騎実録物語の最優秀助演男優」というキャッチコピーは考えれば考えるほど彼にふさわしい。

とにかく、こんな人間はもう出てこない・・・と思う一方で、こういうスタイルやタイプの人間は、時代、時代で必ずいるかもしれない、と思わせる、人間存在の一典型でもあったような気がする。

「梶原一座の最優秀助演男優賞」の座は、黒崎健時という超強力なライバルがいるのでまだ審議が必要かもしれませんが、ともかく、いつの時代にも必ずいるであろう人間存在の一典型、という評価はこれ以上なく正当だと思います。


つつしんでご冥福をお祈りします。

プロレスへの遺言状

プロレスへの遺言状