私立極道高校

私立極道高校2011 1巻 (ニチブンコミックス)

私立極道高校2011 1巻 (ニチブンコミックス)

漫画ゴラクで『私立極道高校2011』が連載されているので、そのオリジナルとなった宮下あきらのデビュー作『私立極道高校』が復刻されています。
私立極道高校 復活版 上巻 (ホーム社書籍扱コミックス)

私立極道高校 復活版 上巻 (ホーム社書籍扱コミックス)

私立極道高校 復活版 下巻 (ホーム社書籍扱コミックス)

私立極道高校 復活版 下巻 (ホーム社書籍扱コミックス)

『私立極道高校』は、破天荒なバイオレンスとギャグで人気を集めたものの、作中に実在する学校名をそのまま登場させたためクレームがつき、連載が打ち切られたという漫画史上の事件で有名でしたが、単行本は絶版だったため長らく「幻の作品」でありました。
直接の続編である『激!極虎一家』に学帽政ら主要キャラが続投しているものの、彼らの背景は断片的に推測するしかなかったので、ぼくのように『極虎一家』から読み始めた読者にとってはかなり不親切なつくりになっていたのですが、この復刻版でようやく全貌をつかむことができました。


とはいうものの、つかむほどの全貌でもないんですけどね。


内容はほぼ完全に『魁!!男塾』と同じで、政は桃とほぼ同じ人物であり、田沢や松尾に対応するキャラも第一話からすでに出ています。「なんだか悪い予感がするのう」も、読み切りで掲載された第一話ですでに出てきます。初登場時の大豪院邪鬼や、『2011』の生徒会長と同様の巨人キャラも出ており、破綻しきったストーリー展開もこの当時から健在です。


ただし、『極虎一家』の院長が『男塾』の塾長の原型になっているのに対し、『極道高校』の校長は大物としては描かれていないので、その点だけが、その後の作品との違いといえば違いかもしれません。


宮下あきらは基本的に破天荒ギャグ漫画家なのであって、よく知られている『男塾』中盤以降のバトル路線が、むしろそのキャリアでは異色だということがよくわかります。
でもきっと、いま連載中の『極道高校2011』も途中からバトル漫画になるんだろうなぁ。