東名阪バイブルベルト

東京都の石原慎太郎都知事のコラムより。


http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120305/plc12030503080001-n1.htm

【日本よ】石原慎太郎 歴史的に無効な憲法の破棄を

 高度な技術を保有しそれを活用して高性能の兵器を製造出来るこの国の、三木武夫という愚かな総理がかつて平和愛好のセンチメントに駆られて唱えた武器輸出に関する厳しい規制は、優れた兵器を売るという防衛に関する強い抑止力を疎外してしまった。

                   ◇

 兵器どころかアジアのインド、インドネシア、台湾といったハイレベルの技術を保有する国たちと提携して日本主導でアジア産の旅客機を作ろうという計画もアメリカが陰から横槍を入れて阻害する。まして日本製の戦闘機の製造など論外で、中曽根内閣時代にはアメリカの圧力で世界一優れた戦闘機の計画は惨めに潰された。そうした非現実的現実の根底には陰に陽に現憲法が由来しているのだ。だからこそ世界がかくなってきた時点で憲法について根本的に考えなおしたらいい。


 それは憲法改正などという迂遠(うえん)な策ではなしに、しっかりした内閣が憲法の破棄を宣言して即座に新しい憲法を作成したらいいのだ。憲法の改正にはいろいろ繁雑な手続きがいるが、破棄は指導者の決断で決まる。それを阻害する法的根拠はどこにもない。

高性能な兵器を売ることが防衛の抑止力につながる、そのために憲法の破棄をと訴えています。これが本気だとしたら、石原新党には破防法の適用も検討しなくちゃいけないところですが、ちょっと『サイボーグ009』を思い出しました。

サイボーグ009 地下帝国“ヨミ”編 (講談社プラチナコミックス)

サイボーグ009 地下帝国“ヨミ”編 (講談社プラチナコミックス)

サイボーグ009』の本編最終回とでもいうべき(その後のシリーズはぜんぶ番外編ととらえてもよい)「地下帝国ヨミ篇」は、ジョーとジェットが流れ星になるラストがあまりにも有名ですが、その前半部における黒い幽霊(ブラック・ゴースト)団の企みも、「悪の組織」というものにリアリティを与えています。


サイボーグ戦士たちの宿敵である、軍産複合体の黒い幽霊団は、あらゆる物体を破壊する超音波兵器を搭載した恐竜を使って、世界各地でテロを行い、世界征服を宣言します。このテロにより世界は恐怖のどん底に叩き落されますが、一方で、世界各国の軍隊が超音波兵器の威力を知り、こぞってそれを入手しようとします。
黒い幽霊団の実体である死の商人たちは、この機に乗じて超音波兵器を高額で売る一方で、すでに対超音波兵器用の防御装置も開発しており、そちらも世界各国に高額で売りつけます。実はそれが真の狙いで、世界征服宣言は恐怖を煽るための方便にすぎないのでした。


石原吐痴児からすれば、黒い幽霊団のやり方は防衛抑止力を高める素晴らしい作戦ということになるんでしょうね。超音波防御装置には、人間を白痴化する洗脳電波発射機能もあることですし。



んで、名古屋市河村たかし市長はというと。


http://mainichi.jp/select/world/news/20120305k0000e010207000c.html

河村市長:南京事件発言 中国大使館が面会拒否

 名古屋市河村たかし市長が南京事件への発言を巡って中国大使館を訪ねようとしていた問題で、同大使館は5日、駐名古屋総領事館を通じ「南京大虐殺を否定する発言を撤回しない限り、会うことはできない」と拒否する意向を伝えた。河村市長は同日午前、毎日新聞の取材に「私の発言は政府見解とほぼ同じ。会ってくれないのはおかしい」と不満を表明した。

 河村市長は中国大使との面会を通じ、姉妹都市関係にある南京市との交流回復を目指していたが、現状では厳しい状況に追い込まれた。

 関係者によると、面会拒否の意向は5日午前、総領事館から電話で市に連絡があった。市は今後も面会を求めていくという。

 河村市長は2月20日、南京事件について「通常の戦闘行為はあって残念だが、南京事件というのはなかったのではないか」と発言。21日に南京市が名古屋市との交流一時停止を発表したため、市長は27日「(被害者が)30万人とされるような組織的な大虐殺はなかったのではないかという趣旨だった」と釈明した。【三木幸治、福島祥】

どんどんグダグダになってまいりました。「政府見解とほぼ同じ」って、どこをどう読めばそうなるんでしょうか。もう自分で自分が何を言ってるかわかってないんじゃないですかね。非戦闘員や捕虜の殺害を「通常の戦闘行為」には含めないと思うんですけど。たぶんテキトーに「歴史問題で中国の悪口言えば支持率上がる」ぐらいのことしか考えてなかったんでしょうね。言い訳がどんどん苦しくなっていきながらも、あくまで強気な姿勢を崩さないあたりは、亀田大毅のファイトスタイルを彷彿とさせるものがあります。



で、その亀田の地元である、大阪の橋下市長はといえば。


http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/03/05/kiji/K20120305002765740.html

重要なのは民意…橋下市長 批判派へ「北朝鮮にでも行ってほしい」

 橋下徹大阪市長は5日、代表を務める大阪維新の会の国政進出に期待感が高まっている報道各社の世論調査結果に関し「数字は気にしているが、それに合わせる政治や行政の運営ばかりではいけない。付かず離れずだ」と慎重な姿勢を示した。

 同時に「民意は擦り寄ると離れていく。だからといって無視すると離れていく。非常に難しい」と持論を展開。学者の意見より民意が重要だとの認識を示し「ポピュリズムとか衆愚政治とか平気で言う人は、民主主義の日本から出て北朝鮮にでも行ってほしい」と、市長の政治手法に反対する一部有識者を批判した。

 市役所で記者団に述べた。

民主主義というのは、多数決さえすれば少数派のことを無視していいという意味じゃないと思うんですけど。権力者への批判も許されるのが民主主義ってもんでしょ。「北朝鮮へ行け」というのは、指導者様に従う人民のあるべき姿を見習えという意味にしか思えません。この人は何かと北朝鮮をネタにするけど、本人は金日成になりたいのが見え見えだもんなぁ。うらやまけしからん、というのが正直なところなんじゃないですかね。


「民意は擦り寄ると離れていく。だからといって無視すると離れていく」というのも、古内東子の歌みたいで味わい深い。


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この歌の「優しくされると切なくなる、冷たくされると泣きたくなる」という一節を聞いて、おそらくすべての男性が「ほなどないせえゆうね」と思ったことでしょうが、橋下シチョーのキレやすさも、民意に対する「ほなどないせえゆうね」感によってストレスがたまっていることが原因なのかもしれません。


というわけで、日本の三大都市の首長が、みんな隣国を口撃することで支持をとりつけようとしている、という事実は実に味わい深いとしか言いようがないですね。成功している人もいれば失敗している人もいますけど。