Daydream believer of the Sardin’s heads

原発事故に関連して、「危険だ」「安全だ」という意見がまさに談論風発、玉石混交でお互いに「危険厨」「安全厨」と言い合っていますが、見ていて面白いのは圧倒的に危険厨のほうなんですよね。本当に危険な区域には人は入れないので、安全厨が奇行に走るのは難しいですが、危険厨が時おり放つカッ飛んだ場外ホームランは、仙台という、かの人々からいわせれば汚染区域に住んでいるぼくの生活実感とあまりにかけ離れていて、逆にスカッとします。


たとえば、こんな人も出てきました。

大阪工業大学の准教授(専攻は日本の近現代史)だそうですが、「ベクレル入り」という語感がもうね。まぁ言いたいことはわかるんですけど、こういう「食べ物に何か混入されている」と思い始めるのは典型的なDr.林の関連物件ですので、早めの受診をおすすめしたいところです。プロフィールによれば1954年生まれだそうなので、まだ認知症には少し早すぎますしね。


「パワーテスト」というのも意味不明な単語ですが、調べてみたら、オーリングテストみたいなもののようです。
http://www.yokouchi.or.jp/system.htm

被験者が指で輪をつくり、検者がそれを引っ張って外すその力の強さで病気を測るものです。くわしくはNATROM先生によるこちらの解説を参照のこと。
2009-02-04

検者が、被験者の体内にある異常な物質と同じ共鳴サンプルを持っているときは、弱い力で輪が開くというから、検者の主観に左右される典型的な疑似科学の手法です。


でもこれでどうやって、口に含んだ時点で放射性物質の有無がわかるんでしょうか。被験者が食品を口に含み、検者が放射性物質(多種多様の放射性物質の中から何を選ぶのかは不明)を持ってテストをしなければわからないはずなので、いずれにしても検者は被曝せざるを得ないというきわめて危険な検査ですね。


このジュンキョージュに比べると、ぐっと複雑な経緯のある物件がこちら。


福島第一原発全滅!死者は4300人だった! - Togetter
こちらでは、携帯小説を出版したことのある人物が、「東電の悪質な隠蔽を告発する」としてアメーバにブログ記事をアップするのですが、なぜかアメーバの会員限定記事。見た人によると「ツイッターで拡散すると『デマだ』と突っ込まれる」「まずはブログやmixiで広めて『ネット上の噂』にしたい」から仲間内の限定記事にしていて、内容は「すでに4300人の作業員が死亡しているが、遺族に3億円ずつ口止め料を払って隠蔽されている」だそうな。いくら東電がお金持ちだからって1兆3000億円ものお金(マネー!)をどうやって人知れず調達できると思ってるんでしょう。


んで、その記事を見た人が、あまりに弾けた内容を皮肉って、

こうツイートしたのですが、元ネタを知らない人がRTしまくって、この人がデマを広げようとしているかのような印象を多くの人に与えてしまったんですね。皮肉を言うときには末尾に(棒読み)とかつけておかないと誤解を招くので注意しましょう。


で、さんざん迷惑をかけた元ネタの人は

こんなふうに開き直っています。でもこの人のやり口は、ウソでもネット上に記事があればそれで「噂」は作れるだろうというきわめて卑劣かつ無責任なものですけどね。そういえば『ペルソナ2』はやりこんだもんだったなぁ。
ペルソナ2 罪 - PSP

ペルソナ2 罪 - PSP


ちなみにこの人のブログを見ると、911陰謀説やロスチャイルド陰謀論を信じているので、ツイッターでデマと断じている人のこともユダヤ工作員かなんかだと思ってるんでしょうね。作業員の(存在しない)遺族を侮辱したことを「人の心について学んでください」とたしなめられても、聞いたこともない、そもそも出版社ですらない会社から携帯小説を一冊出版した実績でもって

とあっさり退けています。


ま、世の中には陰謀論やオカルト本でメシ食ってる物書きだっていますし、人の心が全然わからないベストセラー作家だっていることですから、この人も徹底的にその路線でいけば、たま出版あたりからお声がかかるんじゃないかな!

トンデモ本の世界X

トンデモ本の世界X

ちなみにこの携帯小説家のセンセイによると、11月15日までに茨城・栃木から東北?で震度5強以上の地震が発生するが、被害はそんなに大きくないので大丈夫、だそうです。占いや易に凝る作家や出版社は昔から多いですが、さてどうなることやら。

白い戦場―震災句集

白い戦場―震災句集