プールサイドに黒いバラ

さて、例の都青少年健全育成条例改正問題ですが、こんな動きがあったようです。


http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20101204ddlk13010267000c.html

青少年健全育成条例改正案:PTA団体など、都に成立求め要望書 /東京

◇反対派も会見

 都内のPTA団体などが3日、都青少年健全育成条例改正案の成立を求める要望書を都に提出した。石原慎太郎知事は「子供だけじゃなくて、テレビなんかにも同性愛者が平気で出るでしょ。日本は野放図になり過ぎている。使命感を持ってやります」と応じた。

 要望したのは、都小学校PTA協議会(都小P、加盟248校)▽都私立中学校高等学校父母の会中央連合会(同246校)など5団体。都小Pの新谷珠恵会長が「児童を性的対象にすることが野放し状態。子供を健やかに育てるため、社会の力を借りないと環境整備できない」と説明した。

 一方、学者や評論家らは改正案への反対を訴えて都庁で記者会見した。藤本由香里明治大准教授は「時代物やSF漫画のキャラクターにも現代日本の刑罰を適用するのか。現実とフィクションを区別しない危険な発想だ」と強調した。児童文学者の山中恒さんは「日本の官僚は拡大解釈にたけている」と危惧した。

「子どもは本当にバカで未熟」「なんで反対している人のことまで考えないといけないのか」など数々の問題発言で知られる新谷会長から、かの慎太郎都知事へ要望書が手渡される、その絵ヅラを想像しただけでめまいがしそうですが、微妙にカミ合ってないような気がしなくもないですね。


本当にバカで未熟な子どもを持つ母である新谷会長は、本当にバカで未熟な自分の子どもがエロ漫画に影響されてエロいことをするのを危惧して、本当にバカで未熟なうちの子を守ってくださいと都知事に頼んでいるわけですよね。


それに対して、前頭葉の退化した七十過ぎの老人である慎太郎と知事は「エロ漫画を取り締まるだけじゃなく、同性愛者がテレビに出られないようにしたい」と答えているわけで、本当にバカで未熟な子の母である新谷会長だって「そんなこと頼んでない」と思うんじゃないでしょうか。新谷会長が本当にバカで未熟な子どもをファミレスに連れて行って、「うちの本当にバカで未熟な子にハンバーグをひとつください」と注文したのに、前頭葉の退化した店長が勝手に「ハンバーグだけじゃなくて、フライドポテトも食べさせたい」と勝手に持ってくるようなもんでしょう。そんなの、本当にバカで未熟な子の母だって困ると思います。まぁ新谷会長の子どもは本当にバカで未熟だそうですから、喜んで食べるかもしれんですけどね。


この返答でちゃんと合意が成立しているのだったら、新谷会長が考えている「健全育成」というのは、本当にバカで未熟な子どもが同性愛者にならないようにしたいという発想も含んでいるんでしょう。前頭葉の退化した七十過ぎのと知事も、以前から「自分は純粋なヘテロだからホモセクシャルとは相容れない」などとゲイフォビアを隠さない発言をしていましたから、このタッグ結成は必然なのかもしれませんね。


この人たちが、伊藤文学さんの本とか読んだらどんな感想を持つんだろう。



でも、異性装のタレントに対するテレビの扱いも、現状でいいとは思いませんけどね。


いや、「ホモやオカマはテレビに出るな」って意味じゃなくてね、「ホモは笑いの文脈でのみ語られている」ってことは問題だと思うんですよぼかぁ。


テレビに出ているオネエのタレントは、はるな愛椿姫彩菜佐藤かよなど本当に女性にしか見えないような美人か、マツコ・デラックスのように魁偉な容貌をしているか、楽しんごのように笑いを取りにいくか、その三パターンしかないと言っていいでしょう。


でも現実の同性愛者はそれらに当てはまる人ばかりではないし、テレビに出ている人だって、それに当てはまらない人もたくさんいるはずです。同性愛か異性愛か。そういうセクシュアリティは個人の嗜好でしかなく、公言しなければいけないものではありません。たとえばぼくの場合、巨乳好きなのはブログでも公言していますが、そのほかにもいろんな好みがあります。でもそれはぼくのプライバシーであって、ぼくと、相手をしてくれた人だけが知っていればいいものです。他人に言うべき種類のものではありません。


そんな個人の嗜好を理由に、特定の嗜好を持った人間は公の場に出るべきでないなどと考えるのであれば、そんな思考を持った人間こそ公の場に出るできではないと思いますねぼかぁ。


だいたい石原軍団だって、言ってみればホモの集団みたいなもんでしょう。みんな裕次郎が好きで集まった人たちじゃないですか。

「同性愛者はテレビに出るな」って言われたら、困る人はいっぱいいると思いますけどね。