いきなり最終回

現代アニメにはまったくうといぼくですが、『けいおん!!』が人気あることぐらいはさすがに知ってます。

  • レフティのベーシスト、澪が人気ある
  • 主人公たちの一コ下の後輩、あずさ(ムスタング弾き)も「あずにゃんペロペロ」とかいわれて人気がある
  • 楽器屋の社長の娘がメンバーにいるので、そのコネを使って25万のレスポールを5万で買い叩くトンデモ場面がある
  • 顧問の先生は「DEATH DEVIL」というメタルバンドをやっていた

このぐらいの知識しかないんですけど。


ぼくは第一期の三話ぐらいまで観てもう投げたんですが、第二期も大人気で、このほど最終回を迎えたとか。

ところが、この最終回が物議をかもしているようです。

  • 優等生の澪が、名門大学の推薦を蹴ってみんなと同じ女子大に進学する
  • これからもみんな一緒だよめでたしめでたし

この展開に「別離を描かない青春ものは嘘にまみれたゲテモノ」と異議を申し立てている人がいまして。


アニオタ保守本流「けいおん!全員女子大進学問題をdisってみた」 - Togetter


まぁこれは萌えに限らず今のアニメ・漫画に共通した問題で、13回ワンクールだけの制作がスタンダードになってしまいましたから、ちゃんとストーリーを完結させることが難しく、その後の展開もあるから人気キャラを殺すことも出来ませんし。放送業態の変化で、どうしても「完結」が描けないという宿痾を、アニメ業界は抱えてしまっているわけです。それを考えれば、まがりなりにも「卒業」というケリをつけた『けいおん!!』はむしろ健闘した部類に入るんじゃないでしょうか。


お別れかと思いきや、実はこれからも一緒……というオチも昔からよくあって、有名なところでは『帰ってきたドラえもん』がすぐ思い浮かびます。

ドラえもん (7) (てんとう虫コミックス)

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萌え・ラブコメ系では、元祖といえるであろう高橋留美子の『うる星やつら』や『らんま1/2』あたりが、「いろいろあったけど何も変わらずに日常が続く」という終わりを提示していたのが思い浮かびますね。

うる星やつら〔新装版〕 34 (34) (少年サンデーコミックス)

うる星やつら〔新装版〕 34 (34) (少年サンデーコミックス)

らんま1/2 (38) (少年サンデーコミックス)

らんま1/2 (38) (少年サンデーコミックス)

現在の萌え系はこの辺から感覚的に続いているんだろうなぁと思ったり。


んで、これらの「何も変わらない」オチの元祖といえば、つげ義春の『李さん一家』における「実はまだ二階にいるのです」なんでしょうね。

漫画において主人公の成長を描くのは長篇の手法であって、短篇や、『けいおん!』の原作である4コマ漫画では、「変わらない」ことこそが求められているといってもいいんじゃないでしょうか。
サザエさん (1)

サザエさん (1)


サザエさん時空、とまではいかなかったようですが、まぁ、だからといって『けいおん!!』が見たいかといわれたら、それはちょっと…と答えざるを得ないというか。

けいおん! (4) (まんがタイムKRコミックス)

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