荒岩流クックパッディング

大手レシピサイト、クックパッドが『クッキングパパ』との共同企画をはじめました。

http://cookpad.com/comics/cooking_papa/1

今回の分では、連載第一話をまるごとアップして、荒岩が作る「イタリアン鍋」のレシピを紹介しています。

クッキングパパ(1) (モーニング KC)

『クッキングパパ』は、1985年から「モーニング」で連載が開始されました。今も連載は続いていますが、だいたい２年ごとに作中で１年経過するという独特のタイム感を持っています。小学一年生だったまことは大学生になりましたし、荒岩も主任→係長→課長と出世しています。『モーニング』では島耕作が順調に出世を果たしていますが、『クッキングパパ』も順当に出世。ボンクラだった部下の田中も結婚し父親になるなど、成長を見せています。

伊藤忠商事の社長は、弁当を作って持ってくるような社員は出世できないと言っていましたが、荒岩の場合は自作の弁当を専務と交換したり、社長にうどんの打ち方をレクチャーしたりしているにも関わらず、ちゃんと出世しています。

もっとも、荒岩が務める金丸産業みたいな職場なんて、もう日本のどこにもないですよね。若手社員もみんな結婚して子どもを持てるような待遇で、リストラもパワハラもない。非正規労働者もいない。同じ「モーニング」に連載されていた『ショムニ』だってもう現代の雇用情勢ではあり得ない話になってしまったし、オヤジ天国だった４コマ漫画誌も、サラリーマンものから学園ものに主流が移りました。

おとぼけ課長　（24） (芳文社コミックス)

（旧世代の代表）

けいおん! highschool (まんがタイムKRコミックス)

（新世代の代表）

職業を描く漫画は専門ジャンルに細分化され、リアリティが求められるようになりました。もう「サラリーマン」という漠然とした属性では通用しないんですね。

もっとも、『クッキングパパ』の職場はあまりにも人間関係が鬱陶しい。なにかというと同僚が家に遊びに来るの。田中が失恋したとかいって先輩が慰めたりとかね。んで手作りの鍋とか作る。カンベンしてくれよマジで。オレは職場の人間に自分の家なんて教えたくないし、女の話なんか死んでもしない。あんなベタベタした職場で働くより、非正規労働で正社員たちから小突かれてたほうがまだマシだ。