カミナリ・パンチよ永遠に
書こうと思って仕込んでおいたネタもあったのに、こんなニュースに触れてしまってはどうすることもできませんでございますよ!
http://www.asahi.com/international/update/0419/KYD201004190002.html
27戦無敗の元世界王者・バレロ選手、妻殺害容疑で逮捕
ベネズエラ警察当局は18日、世界ボクシング評議会(WBC)の元ライト級チャンピオンで同国出身のエドウィン・バレロ選手(28)が中部カラボボ州バレンシアのホテルで妻(24)を殺害したとして殺人容疑で逮捕した。ロイター通信などが報じた。
同容疑者は18日早朝、宿泊先のホテルの受付で妻を殺害したなどと告げ、駆け付けた警察が室内で妻の遺体を発見、数カ所に刺し傷があった。バレロ容疑者は容疑を認めているという。
容疑者は先月、妻に暴力を加えた疑いで一時身柄を拘束され、最近はアルコール依存症の治療を受けていたとされる。
強打で知られるバレロ容疑者は世界ボクシング協会(WBA)スーパーフェザー級の元王者。その後、WBCに転身し、今年2月にライト級で2度目の防衛に成功し、通算27戦全勝。重量が上の階級で闘うとして王座を返上していた。
マジかよ、ちょっと前に防衛戦見たばっかりだぞ。
バレロは一時期、帝拳ジム所属で活動していたこともありましたので、日本でも知名度の高いボクサーです。27戦全勝全KOというパーフェクトスコアを誇り、キレイなパンチを撃つ人ではありませんが、不恰好ながらガムシャラにパンチを出していく姿には燃えるものがありました。
ですが私生活には問題があったようで、暴力事件を起こして逮捕されたり、そのせいで米国のビザが下りずに試合がキャンセルされたこともありました。今年にはその苦難も乗り越えてライト級王者となり、二階級制覇を成し遂げてファンを安心させましたが、それからわずか2ヶ月足らずでこの悲報を聞くこととなってしまいました。
先週には、立会人に暴言を吐き恫喝したとして亀田史郎がライセンス取り消し処分(事実上の永久追放)を受けました。このときは、「JBCがライセンス取り消し処分を下したのは、97年に殺人罪で起訴された仙台ジム所属の米国籍少年の例があるのみ」というので話題になりましたが、まさか正真正銘の世界王者が殺人とは……
ちなみに、袴田事件で死刑判決を受け、再審請求中の袴田巌死刑囚には、その活動を支援しているJBCが「名誉ライセンス」を発行しています。
- 作者: 山本徹美
- 出版社/メーカー: 新風舎
- 発売日: 2004/08
- メディア: 文庫
- クリック: 21回
- この商品を含むブログ (5件) を見る
バレロがこれからどんな裁きを受けるかわかりませんが、そのリングでの輝きだけは忘れないでいてやりたいです。
追記
逮捕されたバレロは、留置場で自殺したとのこと。
http://www.yomiuri.co.jp/sports/news/20100420-OYT1T00302.htm
WBCライト級前王者自殺…逮捕後に独房で
ベネズエラ出身の世界ボクシング評議会(WBC)ライト級前王者エドウィン・バレロ容疑者(28)が、妻(24)を殺害したとして同国で逮捕された事件で、同容疑者が19日未明、独房で首つり自殺した。AP通信が伝えた。
警察当局が同日明らかにしたところによると、同容疑者は、着ていたスエットパンツを独房の鉄棒に巻き付けて首をつった。ほかの収容者が発見して通報したが、救命できなかったという。
同容疑者は18日、滞在中のホテルで妻を殺害したとして、逮捕されていた。
およそ考えられる最悪の事態です。世界のボクシング界は、選手の人格的な成長や私生活のケアについて、もっと真剣に考えてほしいですね。