嘘を嘘と見抜けない人には(ry

自民党系地方議員の集会で、石原慎太郎都知事がこういう発言をしたとのこと。


http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010041890070655.html

『与党は帰化した子孫多い』 石原知事

 民主党などで検討されている永住外国人への地方参政権付与をめぐり、東京都の石原慎太郎知事が十七日、都内の集会で「帰化された人、そのお子さんはいますか」と会場に呼び掛けたうえで、「与党を形成しているいくつかの政党の党首とか与党の大幹部は、調べてみると多いんですな」と発言をした。

 発言は、自民党を中心とした地方議員ら約五百人が参加して千代田区内で開かれた「全国地方議員緊急決起集会」の席上であった。「(帰化した人や子孫が)国会はずいぶん多い」といい、根拠を「インターネットの情報を見るとね。それぞれ検証しているんでしょうけれど」と人物は特定せずに説明し、与党にも言及した。

 石原知事は「それで決して差別はしませんよ」としながらも、続けて朝鮮半島の歴史に触れ、韓国政府が清国やロシアの属国になるのを恐れて「議会を通じて日本に帰属した」として一九一〇年の日韓併合を韓国側が選んだと話し、「彼らにとって屈辱かもしれないけども、そう悪い選択をしたわけではない」などと述べた。

 その上で、「ごく最近帰化された方々や子弟の人たちは、いろんな屈曲した心理があるでしょう。それはそれで否定はしません。その子弟たちが、ご先祖の心情感情を忖度(そんたく)してかどうか知らないが、とにかく、永住外国人は朝鮮系や中国系の人たちがほとんどでしょ、この人たちに参政権を与えるというのは、どういうことか」と批判した。

 石原知事は、平沼赳夫衆院議員らの新党「たちあがれ日本」を支援、反民主の保守政治回帰を訴えている。

これってたぶん、ネットに溢れている「小沢一郎の母は済州島出身」説のことじゃないですかね。


このテの在日認定はよくありますが、土井たか子帰化人説を掲載した月刊誌「WILL」が訴えられ、「明らかな虚偽」と敗訴したのは記憶に新しいところです。でもこの敗訴にもめげず、「事実である」と言い張る書き込みもまま見かけますけどね。


まぁそれにしても、「○○だという情報がある」とか「○○な人もいる」というのは便利な語法ですよねえ。自分では責任をとらなくてもいいんですもんねえ。


同じ語法を使っていたものでは、こんな記事もありました。


http://news4vip.livedoor.biz/archives/51524123.html

読売「ポルノの影響で女性はレイプされても最後には喜んで抵抗しなくなると思い込む男性がいる」

そりゃ、そう言っている人はいるでしょうけど、そんな人めったにいないでしょ。


実際、AVってフェイクドキュメンタリーの要素があって、女優の”素”の部分を引き出すためにレイプまがいのハプニング的な仕掛けをすることがあるんですね。


代々木忠という稀代の奇人が設立したアテナ映像というメーカーがあって、そこから名物シリーズ『おはズボッ!』というのがリリースされています。

タイトルがもう最高にバカですが、女優さんが現場入りすると男優がすでにエレクチオンさせてスタンバっており、「おはようございます」も言い切らないうちに本番に突入する、という内容もまた非常にアホらしい。でも、女優さんがうろたえる様子が面白いというのでけっこう人気があり、10年で50本近くも制作される人気シリーズとなっておるのでした。


このシリーズでは、最初はうろたえる女優さんも、たいていはすぐに「あ、こういうビデオなんだ」と企画の意図を理解して抵抗をやめるので、リテラシーの低い視聴者の中には、影響を受ける人もいることでしょう。でも、それが性犯罪につながるかといったらそんな単純じゃないと思いますけどね。


ちなみに、このシリーズでは6人ぐらいの女優さんが出てきて一通りのカラミをやってから、男優と女優が全員集合して座談会をやるのが恒例となっています。みんなでペットボトルのお茶とか飲んで「もーびっくりしたー」とか笑いながら話すの。これも「レイプではない」というエクスキューズのためでしょう。


石原都知事に話を戻しますと、この人は1983年の衆院選のときにも、対立候補だった新井将敬のポスターに「元北朝鮮人」と書いたシールを貼る「黒シール事件」というのを起こしています。

代議士の自決―新井将敬の真実

代議士の自決―新井将敬の真実

このときは、「秘書が勝手にやった」と言ってはいましたが「有権者には候補者のパーソナルヒストリーを知る権利がある」とも言っていますので、発想はこの当時とまったく変わっていないってことでしょうね。


よく、「参政権が欲しかったら帰化すればいい」とかいう人がいますが、平沼赳夫蓮舫のことを「もともと日本人じゃない」と評したのと同じように、本音の部分では「とにかく人を差別したい」という発想を持つ人は一定数いるんですね。



都知事は「それで差別はしませんよ」というエクスキューズもいちおう用意してはいたようですが、その効用は『おはズボッ!』の座談会にもはるかに劣ると思うなぁ。