大衆は豚だ!

亀井静香金融大臣がこんな発言をしたとか。


http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100126-OYT1T00070.htm

亀井氏「国民の相当数、冷静な判断能力ない」

 国民新党代表の亀井金融相は25日、衛星放送BS11の番組で、小沢民主党幹事長の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件に関して「今の国民は相当数が大脳皮質で冷静に判断する能力をお持ちでない。新聞が『けしからん』と書いたりすると、その人(小沢氏)が何を言っても耳を貸さない」と述べた。

そんな、神竜剛次じゃあるまいし

男組 25 (少年サンデーコミックス)

男組 25 (少年サンデーコミックス)

『男組』の敵役である神竜剛次は、「大衆は豚だ!」という信念のもとに、日本の支配者になるべくまずは学校を支配下に置く男でした。権力者である父の後ろ盾を持つ神竜に、少年刑務所がえりの主人公、流全次郎が、生徒たちを「戦うのは今だ! いま戦わない者があとで戦うはずがない!」と扇動しながら戦いを挑むという、革命のロマンティシズムを前面に出したポリティカルな漫画が「少年サンデー」で人気連載されていたのだから、70年代というのは特殊な時代だったんでしょうね。


原作者の雁屋哲は、2008年9月にこう書いています。

あと少し | 雁屋哲の今日もまた

 最近、久し振りに、私が「雁屋哲」の名前で劇画原作者として認められることになった作品「男組」を読み返したら、その中で、敵役の「神竜剛次」が凄いことを言っている。
 日本刀を振り回して「大衆は豚だ」なんて言っているんだよ。
 神竜剛次は自分のような優れた人間が支配しなければ、社会は豚である大衆が汚らしく乱すだけだという賢人独裁主義的な意見の持ち主。
 主人公の流全次郎は大衆の側に立つ民主主義的な正義漢。
「男組」という漫画は、そんな二人の対立を描く、えらく不思議な漫画なのだ。
 1974年には、こんな漫画が平気で少年誌に掲載されたんだね。
 今こんなせりふを書いたら、たちまち「人権派」の人達に寄ってたかって袋叩きにされて、出版停止、作者は土下座して謝罪しなければならなくなるだろう。
 作家生命もそれで終わり、と言うことになる。
 しかしね、今度の総選挙の結果を見たら、神竜剛次は同じせりふを言うんじゃないかな。
 三十四年前にこんなせりふを言った神竜剛次はえらい。
 しかし、それから何も変わらないどころか、ますます悪くなっている日本の社会はどうすればいいんだ。

 
神竜剛次のせりふは、原作者である私が作って書いた物だが、なんだか、神竜剛次という人物がどこかに本当にいて、「大衆は豚だ」というせりふは、その人間がいまだに叫び続けている様な気がするのだ。

うーむ、でも亀井さんが神竜だとは思えないなぁ。


亀井静香はもともと警察官僚あがりの人なので、同じ雁屋哲原作なら、野望の王国』の柿崎にあたる人物ですからねぇ。

野望の王国完全版 8 (ニチブンコミックス)

野望の王国完全版 8 (ニチブンコミックス)



戦闘力でなら神竜に劣らない柿崎ですが、カッコよさという点ではやはり、ねぇ。