こどものじかん
- 作者: 大島永遠
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2006/01/12
- メディア: コミック
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いきなり何を言い出すのか、いよいよワッシュもおかしくなったかとお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、世間では児童性愛に関する誤解が蔓延しており、精神医学と犯罪学と文学上の概念をごっちゃにしている人が多いんですね。
というわけで、はてなで大きな反響を呼んでいるこのエントリをどうぞ。
マンガで分かる心療内科・精神科「ロリコンはどこから病気なの?」 | 上野駅0分の心療内科ゆうメンタルクリニック
上野のメンタルクリニックが連載しているWEB漫画です。オチはひどいけど、ザックリした説明にはなっていますね。
精神医学の判断基準であるDSM-IVでは、13歳以下の児童(男女問わず)との性的接触によって性的興奮をおぼえる人のことを「ペドフィリア」と呼ぶことになっています。日本の刑法では、13歳未満の女性との性交は合意の有無にかかわらず強姦として扱われますので、その辺との兼ね合いからいっても理解しやすい区切りですね。
13歳〜17歳ぐらいの、思春期の青少年・少女に性的興奮を感じるのは、「エフェボフィリア」と呼ばれる性的倒錯とされています。ペドフィリアほど異常ではないにせよ、いちおうこれも社会的には許されないことになっていますね。
んで、これらの人はよく「犯罪者予備軍」とかいわれますが、ここまでで挙げた呼び名は精神医学上の概念であって、その性向によって苦悩している”病人”を治療するために作られたものですので、”ヘンタイ”への蔑称として使うのは間違っていると言わざるを得ません。
子どもにみだらなことをする人間のことは、「チャイルド・マレスター」と呼びます。これは犯罪学の用語ですね。
- 作者: パメラ・D.シュルツ,Pamela D. Schultz,颯田あきら
- 出版社/メーカー: 牧野出版
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本
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つまり、チャイルド・マレスターであってペドフィリアでない人もいるし、ペドフィリアだけどもチャイルド・マレスターでない人もいるわけですね。
冷静に考えればこれは当たり前のことで、たとえば、ある人が巨乳マニアだからといって、胸の大きな女性を見ると痴漢をはたらくわけではない、というのはすぐに理解できると思います。性嗜好における犯罪的傾向というのは、合意のない相手に行為をはたらくかどうかにあるのであって、その対象が成人女性であれ幼児であれ青年男性であれ、それは関係ないんですね。
(ただし、相手が児童の場合、合意の形成が法律的に認められないため行為に及んだ時点で犯罪となる、という点は考慮する必要がある)
これらに対し、「ロリコン」は周知のとおりウラジミール・ナボコフの小説から来たもので、どちらかといえば、芸術上の概念ととらえるべきものでしょう。
- 作者: ウラジーミルナボコフ,Vladimir Nabokov,若島正
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/10/30
- メディア: 文庫
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小説では、ヒロインであるロリータは12歳から15歳に成長しますので、ペドフィリアの定義からいうと外れることになります。
また、この小説は、スタンリー・キューブリックとエイドリアン・ライン監督によって、二度にわたり映像化されています。
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2008/09/10
- メディア: DVD
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- 出版社/メーカー: 東宝東和
- 発売日: 2004/01/21
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まぁいずれにせよ、ロリコンで悩んでいる人がいたらまずはこの画像を見てもらいたいというか。
これは、以前「コミックLO」の裏表紙に載っていたフェイク広告です。うちのブログで前に取り上げたときはけっこうウケたものですが、実際に治すとしたらペドフィリアであって、ロリコンは治すとかそういう次元のものではないんですけどね。
ロリコン漫画で興奮するのは犯罪ではありませんが、そのことに強い罪悪感や苦痛を感じる場合は、治療の対象になりますのでまずはお医者さんへ。
- 作者: 完顔阿骨打
- 出版社/メーカー: 茜新社
- 発売日: 2009/12/18
- メディア: コミック
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