最近の注目漫画

ある知人から「おもしろい漫画ない?」と聞かれたので、ここで挙げておきます。

モテキ 3 (イブニングKC)

モテキ 3 (イブニングKC)

ちはやふる (7) (BE LOVE KC)

ちはやふる (7) (BE LOVE KC)


ここ最近で、注目を浴びている漫画というと『モテキ』とか『ちはやふる』とか『バクマン』とかいろいろありますが、そういうのをぼくが挙げるのもなんなので、ちょっと毛色の変わったものを。


まずは、ジェントルメン中村の『プロレスメン』。
http://kc.kodansha.co.jp/content/top.php/KA00000556


中堅プロレス団体の新弟子が主人公の、プロレスギャグ漫画。昨年、週刊ヤングマガジンに短期集中連載され、現在は、新創刊された月刊ヤンマガにて連載されている作品です。


暑苦しい絵柄で、コ汚いおっさんがシュールなボケをかます、いかにも「ヤンマガ」といった感じのギャグ漫画ですが、プロレスの扱い方は妙にコクがあります。プロレスをあくまで筋書きのあるショーとしてとらえ、その中で身体を張ってウケをとろうとする個性派レスラーたちの凄みと哀愁を、笑いに包んで描いています。『ビヨンド・ザ・マット』や『レスラー』を通過した現代のプロレス漫画は、こういう行きかたになるんでしょうね。


実力はあるが無表情で感情を表に出せない若手を、塩をすりこんだ噛み付き攻撃でキレさせることで破天荒なプロレスの面白さを体現させてみたり、ボディへの攻撃を受けて吐くギミックのために、調合したハーブを食べて吐瀉物の臭いを消しておくなど、コ汚いおっさんのコ汚い工夫が詰まっていて笑えます。絵柄的にも題材的にも読者を選ぶ作品ではありますが、プロレスと、イイ顔のオヤジが嫌いでない方は楽しめるはず。まだ単行本にはなっていませんが、これは必見。


もうひとつは、土山しげるの『極食キング』。

極食キング 1巻 (ニチブンコミックス)

極食キング 1巻 (ニチブンコミックス)

傾いた料理店の店主を鍛えなおす「再建請負人」北方歳三を主人公とする、『食キング』の続編。『喧嘩ラーメン』『食キング』『喰いしん坊!』と続いたB級グルメ路線の集大成として、これまでに出てきたキャラクターがみな登場する豪華な作品になりそうです。


これらサーガの特徴としては、「安直なご当地ネタ」「安直なダジャレによる料理ネーミング」があり、名古屋では信長・秀吉・家康にちなんだ人物が登場し、仙台では隻眼の政宗が母や弟との確執に悩み、鹿児島では生地を太い青竹で打ち、腰の強い「示現流チェスト麺」を作るなど、どれも爆笑必至。『極食キング』では、京都の中華屋をリニューアルさせて丼バイキング(丼メシの上に好きな具を載せ放題)に変え、「名づけて”my好飯(マイこうはん)”!」というからこれもまたイイ味の脱力加減です。

舞妓Haaaan!!! [Blu-ray]

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喧嘩ラーメン』に登場した愛知の野心家、織田獅子丸も再登場。京都に進出してふぐ料理店を開き、その名も「天下ふぐ」というあたりももはや熟練の味です。
織田信長の天下布武日記 (武ログ壱) (武ログ 1)

織田信長の天下布武日記 (武ログ壱) (武ログ 1)


大西祥平による原作つきの『極道めし』もいいですが、『極食キング』も必見です!