七生報国!

興味深いエントリを見ました。


初等少年院の男子の8割がAD/HD - 井出草平の研究ノート

悲しみの子どもたち ―罪と病を背負って (集英社新書)

悲しみの子どもたち ―罪と病を背負って (集英社新書)

この本に書かれている、「初等少年院などでは男子の八割がADHDに該当する」というのが事実かどうか、他国のデータも参考にして考察するというもの。結論を出すにはデータが足りないようですが、少なくとも、かなり高い関連性を見出している研究がいくつもあることは事実のようです。


ところで、ここで取り上げられている「初等少年院」という言葉に、なじみのない人も多いと思います。


少年院とは、家庭裁判所から保護処分として送致された者を収容し、これに矯正教育を授ける施設とする、と、少年院法1条によって定められています。


その種類は、第2条によって4つに分類されます。

  • 初等少年院:心身に著しい故障のない、おおむね十二歳以上おおむね十六歳未満の者を収容する。
  • 中等少年院:心身に著しい故障のない、おおむね十六歳以上二十歳未満の者を収容する。
  • 特別少年院:心身に著しい故障はないが、犯罪的傾向の進んだ、おおむね十六歳以上二十三歳未満の者を収容する。ただし、十六歳未満の者であつても、少年院収容受刑者については、これを収容することができる。
  • 医療少年院:心身に著しい故障のある、おおむね十二歳以上二十六歳未満の者を収容する。


そして、これらの他に、院内でボクシング大会を開催する「特等少年院」があり、

あしたのジョー(2) (講談社漫画文庫)

あしたのジョー(2) (講談社漫画文庫)

網走には、矯正不可能とされた者を無期収容する「極等少年院」があり、沖縄の獄門島には、10歳未満で死刑に相当する罪を犯した者を死ぬまで収容する「超極等少年院」があることは、あまり知られていません。
激!! 極虎一家 1 (集英社文庫(コミック版))

激!! 極虎一家 1 (集英社文庫(コミック版))

宮下あきらの『激!極虎一家』は、不本意な形で打ち切りとなった前作『私立極道高校』の続編として、『極道高校』の主人公だった学帽政たちが再登場し、新たな主人公である野生児の虎が、政たちとともに網走極等少年院に入所し、男を磨いていくという物語。


極等少年院は、当初は「入ったものは二度と出られない地獄」として描写されていましたが、途中からは「高度管理社会に属さない真の自由人たちが集う梁山泊」に変わり、その後のヒット作『魁!!男塾』の原型となりました。もと「東大の番長」だったという所長は江田島平八の原型であり、主人公の虎は男塾の虎丸龍次に、学帽政は桃に、お調子者の加藤梅造は富樫源治に受け継がれていると思われます。松尾や田沢の原型とおぼしきキャラも出てくるし、学帽政のライバルである国士玉三郎の鼻マスクは、男塾死天王の卍丸に受け継がれています。玉三郎はモヒカンでもアイスラッガーでもないけど(笑)

魁!!男塾 1 (集英社文庫(コミック版))

魁!!男塾 1 (集英社文庫(コミック版))

当時はまだ民明書房が登場しないことや、男塾初期にもあったギャグの要素がより強く、反米・反権力の思想がストレートに出ていることなどの違いはありますが、基本的なテイストは現在の『暁!!男塾』にいたるまで変わっていません。意味ありげに登場したキャラクターがその後まったく出てこなかったり、少年院についての設定が途中で完全に変わってしまうあたりの破綻もより若々しく派手で、死亡確認された人物がなんの説明もなく生き返るのを「七生報国」の一言ですませるという豪快さも作家性の不変ぶりを物語っています。ただし、ジャンプ史上最強の女性キャラである枢斬暗屯子(すうざんあんとんこ)だけは、「男塾」に受け継がれることはありませんでした。


ちなみに、名前のモデルになったのは歌手のスーザン・アントン。180cmの長身と美貌で話題になり、日本ではCMにも登場していました。

  • スーザン・アントン:フォクシー



モデルの方はこんなに美人なのですが、とにかく「大きい」ということばかりがクローズアップされていたんですね。今では身長180cmぐらいの女優は珍しくもないんですけどね。

One Night

One Night