怪獣使いと中年

この土日は、立て続けに作家先生の講座を受けてかなり寝不足になりました。


まず25日の土曜は、仙台文学館朱川湊人先生の講座。

かたみ歌 (新潮文庫)

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朱川先生といえば、このブログを読んでいる人の多くが『ウルトラマンメビウス』の脚本を書かれたことを思い起こすと思われます。

ウルトラマンメビウス Volume 8 [DVD]

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シナリオの場合、映像化ために情景描写が多く必要になりますが、これは実は小説にもある程度必要なことで、実際の文中に反映はされてなくとも、少なくとも書き手の頭の中ではその情景が見えてなくてはいけない、とのことでした。


作者の仕事は、読者のかわりに考えてあげること。だそうです。


また、小説の場合はあまりそういうことはありませんが、朱川先生が『メビウス』でやったように、連続ものの1エピソードを書く場合には、登場人物の性格や前後のエピソードとの兼ね合いがあるので、一から創作するのとは違ったご苦労があったのではないか。質疑応答の時間にそう質問してみたのですが、『メビウス』の場合はやはりそうとう大変だったそうです。


そもそも、『ウルトラマンメビウス』には「仲間たちがウルトラマンの正体を知っている」という、従来のウルトラマンシリーズにはありえない設定があり、朱川先生が『怪獣使いの遺産』の初稿を書いた時点ではまだそれを知らされていなかったそうです。そのため、前後のエピソードと人物の性格がうまくつながっていないところが出てしまったんですね。



ウルトラマンメビウス Volume 10 [DVD]

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また、第40話『ひとりの楽園』では、人間ドラマの部分に力を入れすぎて、怪獣の出番が30秒しか取れなかったので、「史上再弱怪獣」と言われるようになってしまったそうです。しかも植物怪獣なので地味だったし。



講座の後の懇親会でも、「これブログに書かないでね」と前置きした上で、いい味を出しているウルトラ関連のエピソードをいろいろ聞かせていただきました。


ありがとうございました。