いや、そのりくつはおかしい
最近買った漫画のリスト。
- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2002/12/01
- メディア: 単行本
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- 作者: 志村貴子
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2004/04
- メディア: コミック
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CYNTHIA THE MISSION (5) (REX COMICS)
- 作者: 高遠るい
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2007/07/09
- メディア: コミック
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CYNTHIA THE MISSION (6) (REX COMICS)
- 作者: 高遠るい
- 出版社/メーカー: 一迅社
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CYNTHIA THE MISSION 7 (7) [REX COMICS]
- 作者: 高遠るい
- 出版社/メーカー: 一迅社
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CYNTHIA_THE_MISSION (8) (REX COMICS)
- 作者: 高遠るい
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それにしても、8巻のラストで主人公シンシアがオトナに変身する(『バカ姉弟』のねいちゃんみたいにチビでハゲだったのが、一挙に八頭身になる)あたりは、「範馬刃牙復活ッッ」のアレをモチーフにしてるんだと思いますが、あまりにもやりすぎじゃないかなぁ。
刃牙の場合は、14キロの砂糖水を飲んでいるからいちおう質量保存の法則は守ってるんですが、シンシアの場合はどうやって大きくなるのかわかりません。明らかに体重も増えてるのに。
しかも、シンシアが39.7度の熱を出していたのを、
- 平熱との差は3.5度
- 全身の細胞の数が60兆個
- 合計して210兆度
- ゼットンが吐く火の玉200個以上のエネルギーである!
という理屈はウォーズマンをモチーフにしているんだと思いますが、あまりにおかしすぎて感動します。
いちおう熱量を概算すると、シンシアの体重が40キロ。人体の比熱容量がちょっとわからないのでまぁ水と同じと考えると、40キロの水を3.5度上昇させるための熱量は、4万グラム×3.5で14万カロリー=140キロカロリー。これは、うまい棒三本分ほどに匹敵するんですね。
- 出版社/メーカー: やおきん
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まぁ、漫画における理屈の扱いというのは、理屈自体の正しさより、力強く断言するその態度で読者を納得させろ、というのが、板垣恵介が梶原一騎の作品から学んだことだそうですので、その系譜に高遠るいも連なっているのだということなんでしょう。
この本は、1996年に出た「フルコンタクトKARATE」別冊のムックで、板垣恵介・川原正敏・猿渡哲也の対談が収録されています。
その中で、板垣恵介はこう発言しているんですね。
マンガはどんな荒唐無稽でも思い込む力が読者に勝てれば、勝っちゃうと思うよ。否定するよりも強い力で思い込めば。
なんでそう思ったのかというと、「あしたのジョー」の中で金竜飛という朝鮮から来たボクサーが食べ物がなくて父親を殺したことがあるんですよ。だから、金の思うボクシングはそれに、比べたら遊びなんだよ。ジョーは人間の迫力そのものに押されて劣勢なんだけど「なんで俺はたおれないんだろう」って考えるわけ。力石と金竜飛を比べたら、金は食えなかったけど、力石は食べ物はあるのに食わなかった。より力石のほうが崇高であると、こいつに負けることは力石に申しわけない……と勝っちゃうわけだから。そのとき俺感動してすごいなあと思って。
でもいい歳になってみると、力石がいくらすごいっていっても「親父殺しちゃったんだよ」っていわれたら終わりですよ。そっちの方が全然すげえ、そりゃボクシングは遊びだって話になっちゃう。でも、そのときは、梶原さんに負けたんだよ俺。
梶原さんは、食わないほうが崇高であると信じて書いて、ちばさんもそうやって描いて見事われわれの常識をくつがえしてくれたんですよ。後でそのメカニズムに気づいて、相当ひどいことやっても、俺が信じ込んでやれば、なんか説得力を持っちゃうという感じがね、そういう信仰は持ったよね。いくら否定する読者がいても、そっちの思いより強ければ、結局説得力持っちゃうんじゃないかなあ。
なるほど。
でも、それにしたって限度ってもんがあるんじゃないですか板垣先生。
オレ、こないだ知り合いから「三年ぐらい読んでないんだけど、刃牙って今どうなってんの?」と聞かれて、どうやって説明すればいいか途方に暮れましたからね。