デビルマンG

高遠るいの『デビルマンG(グリモワール)』一巻を買って読んだッス。

デビルマンG 1 (チャンピオンREDコミックス)

デビルマンG 1 (チャンピオンREDコミックス)

永井豪の『デビルマン』は、作者自身による続編やパラレルワールドもの、他の作家によるリメイクや外伝などが多く存在しますが、この『デビルマンG』は原作(漫画版)の絵柄やキャラクターを使いながら(この人は他人の絵柄を取り込みつつ自分のカラーを出すのがうまい)、デビルマン不動明の設定はアニメ版に近く、アモンの意識が主で明の記憶に影響を受けた人格になっています。原作で人類を猜疑心のドン底に突き落とした悪役の雷沼教授は、最初から悪魔側の人間として出てくるし、原作最大のキーパーソンである飛鳥了も、アニメ版に登場する「氷村」と同じ読みの「火叢」という名前になっています。飛鳥了と氷村をめぐる事情については、豪ちゃん先生の『激マン!』で描かれていますのでそちらを参照。
激マン! 2 (ニチブンコミックス)

激マン! 2 (ニチブンコミックス)

大炎上 | 激マン!《デビルマンの章》 飛鳥の代役・氷村が出るなどアニメで動きが


本作最大の特徴は、ヒロインの美樹を魔法少女に設定して、原作で1巻を費やした明とアモンの合体も、了の手引きではなく美樹の儀式によるものになっているところですね。
表紙カバーの折り返し部分に載っている作者の言葉によれば、

デビルマンG』が目指すのは、ヒロインを黙示録の生贄に捧げたりしない、明るく楽しい物語である。


とのことです。また、作者のブログによれば

とにかく、「現代的にはアレンジしない」「深刻ぶらない」ことにこだわって描いています。お楽しみください。

via:!んでんせ - 高遠るいの日記


だそうです。デビルマンが必殺技の名前を叫びながら戦うあたり、そのこだわりがよく表れています。
2巻では、原作でも人気の高いデビルマンの宿敵、妖鳥シレーヌとの対決が描かれます。作者お得意のモツ描写も相変わらず容赦がなく、次巻も楽しみです。


原作において、牧村美樹が「黙示録の生贄」にされていった事情は、やはり『激マン!』に描かれていますのでそちらを参照。副読本として読み併せると、味わいが倍増します。


デビルマンレディー』に登場した不動ジュンと黒崎あおいも出てくるあたりは、さすがに目の付け所が鋭いというか、百合への並々ならぬ情熱を感じますね。

ミカるんX 1 (チャンピオンREDコミックス)

ミカるんX 1 (チャンピオンREDコミックス)