小一時間ほど問い詰めたい

ギャルゲーにはくわしくないので、全然知らなかったんですけど。


広大なネットの海を彷徨しておりましたら、「ヒロインが主人公を10分にわたって問い詰め続けるゲームがある」というお話を小耳に挟みまして。


どうやら、これだそうです。

Wind -a breath of heart-

Wind -a breath of heart-

この作品で、ヒロインの一人である鳴風みなも(ジャケの子)が、主人公の胸倉を掴んで10分間えんえんと問い詰め続ける場面があるというんですね。


その全文をこちら↓に。

(あまりにも長いので、続きを読む記法にしておきます)



わたし、まこちゃんにとって、なんなのよっ!! 
ねえ? まこちゃんにとって、わたしはなんなの……
単なる、お友達なの?


ねぇ、教えてよ!! 
まこちゃんにとって、わたしはなんなの!? 
まこちゃん、まこちゃんの方から、わたしにキスしてくれたことないじゃないっ!!
まこちゃんの方から、わたしを抱き締めてくれたことないじゃないっ!!


わたし、まこちゃんにいっぱい、アプローチしたのに……。
それでもまこちゃんは気付いてくれなくて……。
あの海でのことは、わたしの精一杯の勇気だったんだよ……



なのに、まこちゃんは答えを出してくれなかった……。
わたし、怖くなった。



もしかして、まこちゃんは、わたしのことなんて、どうでもいいと思ってるんじゃないかって。
わたしは、だから怖くなった。『好き』って一言を、まこちゃんに言えなくなった。
だって、拒絶されたら怖いもんっ!!



わたしの気持ちは、子供の時から変わってない。
だけど、まこちゃんの気持ちは、わたしにはわからなかった。


わたしは、まこちゃんの昔の思い出しかもってない。
だから、まこちゃんとの新しい思い出を作ろうって、わたし、必死だった。
わたしも昔のわたしじゃなくて、新しい自分に変わろうって必死だった。
まこちゃんの好きな女の子になりたいって思った。



でも、どんなに頑張っても、まこちゃんがわたしをどう思っているのかわからなかった……
わたし、こんなにまこちゃんのことが好きなのに……




もしかしたら、わたしのこの想いは、まこちゃんにとって迷惑なものなのかもしれない。
そんな風に、わたしは考えるようになってきた。
だから、やっぱりわたしはまこちゃんとお友達でい続けようと思った。


まこちゃんにとって、わたしってなんなのか……。
それを考えるだけで、怖かったから。お友達なら、こんな想いをしなくてもすむと思ったから……



わたし、このままでいいと思った……。
わたし、このままでもいいと思ったのに……


でも、お父さんが死んで、わたしは本当に一人ぼっちになって……。
そしたら、このままじゃ嫌だっていう気持ちが湧いてきて……っ


そして、やっぱりわたしは、まこちゃんのことが忘れられないんだって思ったの。
思いが抑えられなくなってきちゃって……っ



だってまこちゃんは、わたしの初恋の人なんだもの……。
ずっと、ずっと好きだったんだもの……



わたしは……わたしは……っ。まこちゃんのこと、わたし、子供の頃から大好きだった。
だから子供の頃、まこちゃんと別れるって聞いたとき、すっごく泣いたんだよ。
すっごく泣いたんだから……っ



でも、まこちゃんとは笑顔でお別れしたいと思って。
好きだったから、まこちゃんにわたしの笑顔を覚えていて欲しかった。
そして、いつかまた、まこちゃんに会えるって思って……



だからわたしは、まこちゃんと別れるあの時、精一杯の勇気を振り絞ったんだよ。
結婚しようって約束したよね。
わたしにとっては、あれは精一杯の勇気だった



もしかしたら、まこちゃんともう会うことはないかもしれない。
でも、わたしはどうしてもまこちゃんが好きだった……。
まこちゃんとの繋がりを消したくなかった……っ。
だから、約束をしたんだよ。



あれは、まこちゃんにとって、ささいな約束だったのかもしれないけど……。
わたしにとっては、とても大切な約束だったの……っ



たとえ離れてもまこちゃんとの関係を、唯一、繋げてくれる約束だったから……っ。
まこちゃんがあの約束を受け入れてくれた時、わたしは本当に嬉しかった。
だから笑顔で別れられたんだよ……っ



でも……。本当に長かった……。
まこちゃんとの再会までの時間は、わたしにとっては本当に長かった……。
わたしは、一生懸命にハーモニカを吹き続けた。
いつか、この音色がまこちゃんの耳に届くんじゃないか、って……



でも、年を経るにつれて、こんなことをしても、意味がないんじゃないかって思えてきた……。
だって、こんな小さなハーモニカの音色なんて、
こんな大勢の人がいる世界で、まこちゃんの耳にだけ届くなんてありえないもの……っ


それでも、わたしはこのハーモニカにすがるしかなかった……。
あの約束にすがるしかなかった。
わたしにとっての、まこちゃんとの接点。
それは、このハーモニカと、あの約束しかなかったから……っ



そして、4度目の引越しのとき……、
この街に引っ越してきた時……。
わたしの願いが、ようやく届いた……



夕暮れの屋上で……。
まこちゃんが立っていた……。
まこちゃんは最初、わたしのことがわからなかったみたいだけど……



わたしには、すぐにわかった。
心臓が張り裂けそうだった。
心が……飛び出しそうだった。



そして、これが最後のチャンスなんだって思った。
神様がくれた、最後のチャンスなんだって。
わたしの気持ちをまこちゃんに伝える、神様からの最後のチャンスなんだ、って……っ



だけど、まこちゃんは、昔と一緒で、わたしの想いには全く気付いてくれなかった。
だからわたしは、まこちゃんに行動で知らせようと思った。
わたしの想いを……



でもまこちゃんにとって、わたしはいつまでも、昔の幼なじみのままだった。
わたしにとっては、精一杯の勇気だったのに……。
まこちゃんはわたしのそんな心に、気付いてくれなかった……っ



だから、わたしは怖くなったの……。
もしかしたら、わたしのことを、まこちゃんはなんとも思ってないんじゃないか……。
だから、最後の賭けだった……っ



浜辺でのキス……。
でもまこちゃんはやっぱり、何もわたしに、示してくれなかった……



わたし、本当に怖くなって……。
まこちゃんの気持ちが、わからなくなって。
だからこのまま、幼なじみの関係でいいと思った……




でも、お父さんが死んじゃって……




……わたしにだって、わかってた。
まこちゃんが、子供の時とは違うってこと。



でも、わたしには子供の時のまこちゃんの思い出しかなかったんだもんっ。
橘くんと紫光院さんみたいに、子供の時から今まで、ずっと一緒にいられたわけじゃなかったんだもんっ



まこちゃんとの空白との時間……。
それを取り戻そうと、わたしは必死だったんだよっ



そして、わたしも変わろうと必死だった。
過去のわたしじゃなく、あたらしいわたしになろうと必死だった




そうすれば、まこちゃんはわたしに振り向いてくれるんじゃないか……。
幼なじみのわたしじゃなくて、新しいわたしなら。
まこちゃんは振り向いてくれるんじゃないか、って思ったの……っ



だから、髪型だって変えたんだよっ。
わたしも、変わろうって……っ。
昔のわたしじゃなくて、新しい自分に変わろうって



だけど、それでもまこちゃんはわたしを見てくれなかった……っ。
まこちゃんは最後まで、わたしを見てくれなかった……っ



嫌いなら嫌いって、はっきり言ってよ……っ!!
わたしに気のあるそぶりを見せないでよっ!! 
今、ここで、わたしのことが好きなのか、答えてよぉ……っ



そうしないとわたし、まこちゃんのこと、いつま
でも想い続けちゃうじゃない……っ!! 
苦しいんだから……っ!! 
想い続けているのは、とっても苦しいんだから……!!

なにこの長さ。それにケータイ小説みたいな文章だなぁ。こんなの読まされるのって、拷問でしょ。勇午だって耐えられねえよこんなの。収録もさぞツラかったろうと思われます。


動画はこちらです。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm21768


短縮版もありましたので、お急ぎの方はこちらを。

http://yoriko.info/upload/data/toitume.swf
(↑FLASH版)



(↑ようつべ版)

これはかっこうのネタになり、HELLSINGの少佐演説改変なんかもされていました。


http://kbys.blog63.fc2.com/blog-entry-58.html

戦争て、諸君にとってなんなのよっ!! ねえ? 諸君にとって、戦争はなんなの……単なる、厄介事なの?
ねぇ、教えてよ!! 諸君にとって、戦争はなんなの!? 諸君、諸君のほうから、戦争にとりかかったことないじゃないっ!!
諸君のほうから、戦争をやろうっていったことないじゃないっ!!
わたし、諸君にいっぱい、演説したのに……。それでも諸君は気付いてくれなくて……。あのホールでのことは、わたしの精一杯の
勇気だったんだよ……

わたしは……わたしは……っ。戦争のこと、昔から大好きだった。だから露助機甲師団に滅茶苦茶にされるとき、必死に守るはずの
村々が蹂躙され、女子供が犯され殺されていく様はとっても悲しかったんだよ
とてもとても悲しかったんだから……っ
だからわたしは、英米の物量に押し潰されて殲滅されたとき、害虫のように地べたをはいつくばった。
再戦しようって準備したよね。わたしにとってはあれが精一杯の準備だった。
もしかしたら、もう戦争することはないのかもしれない。でも、わたしはどうしても戦争が好きだった……っ。だから、準備をしたんだよ。
あれは、諸君にとって、ささいな準備だったかもしれないけど……。わたしにとっては、とても大切な準備だったの……っ
でも……。本当に長かった……。戦争の準備期間は、わたしにとって本当に長かった……。わたしは、一生懸命に次の戦争のために
、次の次の戦争のために、って。
でも、年を経るにつれて、こんなことをしても、意味がないんじゃないかって思えてきた……。だって、わずかに一個大隊、
千人に満たぬ敗残兵に過ぎないんだもの……っ
諸君は一体何を望んでるの!?情け容赦のない糞の様な戦争を望んでるの!?
鉄風雷火の限りを尽くし三千世界の鴉を殺す嵐のような闘争を望んでいるの!?
望んでないなら望んでないってはっきり言ってよっ!!今、ここで、戦争のことが好きなのか、答えてよぉ……っ
そうしないとわたし、戦争のこと、いつまでも準備し続けちゃうじゃない……っ!!苦しいんだから……っ!!準備し続けるのは、
とっても苦しいんだから……!!

くだらねぇ(笑)


この作品はけっこうヒットしたらしく、アニメ化されたり、ドラマCDが出たりもしています。


んで、このドラマCDの方にもスゴい話があって。


みなもが主人公のまこちゃんと結婚して、その妹ひなたも同居するようになるのですが、新妻が義妹をいびるという。


これがもう、萌えというコンセプトそのものを痛烈にDISような内容なんですね。

「うにゅぅ……」
うにゅうじゃないよ、なにそれ? かわいいと思って言ってるの? いい加減そのキャラやめたら
「キャラって、ひなたは別に……」
キャラでしょ?
「おにいちゃん♪」とか「えへへ……」とか「うにゅっ」とか言ってればいいんだもん。ラ・ク・よ・ね? 妹キャラ。
「う…… そんなこと言われても……」
いいわよねぇ? いつもまこちゃんと一緒にいられて?
「うにゅっ、お兄ちゃんの意地悪ぅ」とか「きゃっ! 部屋にはいる時はノックしてよ」とか「怖い話聞いて眠れないの。一緒に寝てもいーい?」とか
それで、最後はアレ? 「妹じゃなくて、一人の女の子として見てほしいの……」でしょ? やりたい放題出来るよねぇ?
「う…… うにゃぁ……」
こんどは「うにゃぁ?」ひなたちゃん? 誰に媚びてるの? ここにはわたしとひなたちゃんしか居ないんだよ?
「うぅ……虐められてるよぅ……」
虐められてる? 誰に? 教えてよ? ねぇ? ねぇってば!? 
「み…… みなもおねぇちゃん…… も」
あたし? あたしがひなたちゃんを虐めてるの?
「あ…… ぁ、いや、その……」 
あたしがひなたちゃんを虐めるわけないよ。大事なまこちゃんの妹なんだから。
変なこと言わないで? それとも? その赤い触覚でなんか受信しちゃった?
「そんなこと言ったら! みなもおねぇちゃんだって青い触覚……」
やだなぁ? 人間に触覚が生えるわけないじゃない。コレ髪の毛だよ? 何言ってるの? ひなたちゃん。馬鹿ねぇ……?
 ホント、馬・鹿・ね・っ!

(音声はこちら
アホ毛」という萌え属性真っ向から否定にかかってますね。


これ、萌えオタブーム(?)が来る前の2004年に出てるCDなんですけど、その時点でもう、萌えというコンセプトに対するDIS芸が出来上がっていたんですねぇ。