救いのない話を救おうとしてもやっぱり救えない
本日は、友人である重ちーくんの結婚式に出席してきたのでした。
チャペルという場所へは初めて足を踏み入れたのですが、牧師さんが「コリント人への手紙」を詠んだり、お姉さんが讃美歌を歌ったりする空間というのはなかなかむずがゆいものがあります。
牧師さんが肩にかけているマフラーを見て、「あぁ、マクスウェル大司教がもらうアレかぁ…」と思ってしまうような人間には、ちょっとね。
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披露宴では、ブーケトスというのがありますね。
花嫁が投げる花束を、捕った人が次に幸せになるというやつ。
今回は、投げるのではなくてくじ引き制でした。
ブーケに何本もリボンを付けて、実際に繋がってるやつを引いた人が当たり、という。
よく縁日の露店なんかにあるのと同じシステムです。
これを見て連想したのが、「必殺仕置人」第五話「仏の首にナワかけろ」で山崎努と山田吾一がやった”ロシアンルーレット首吊り”だったというのは重ちーくんには内緒にしておきたい。
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で、当たりを引いた人はブーケがもらえるのですが、はずれの人たちはリボンについている各種のチャームをもらえます。
チャームはそれぞれに幸運を意味しており、「恋がかなう」「新たな自分に出会える」など、もちろん全部いい意味。
これから連想したのが、「魁!!男塾」で、天挑五輪大武會編に向かう塾生たちの壮行会をやる話。
鬼ヒゲ教官が、六面全部に縁起の良い漢字を書いたサイコロを投げ、どの面が出てもいいようにしたのですが、そのサイコロをカラスがくわえて飛んでいってしまうというギャグがあったのを思い出してしまいました。
まぁ何はともあれ、おめでとうということで。
そして、「ウルトラマンメビウス」第32話”怪獣使いの遺産”ですが。
…ダメだこりゃ。
テーマはより明確になってるとは思うんですよ。
青年に成長した佐久間良少年も、メイツ星人ビオが人間形態になったときも、演じる俳優は明らかにあちらのお国を思わせるルックスの持ち主。
おまけに、ビオが地球に向かって呼びかける「同胞の死に対する賠償を要求する」という台詞なんて、嫌韓厨に対する釣りとしか思えないし。
リュウ隊員に撃たれ、緑色の血を流すビオ(人間形態)を見た保母が「この人きっと宇宙人よ…」と、子供たちを近づかせまいとする辺りは人間の排他性が昔と変わっていないことをちゃんと表していましたし。
ラスト、ビオの地球人への憎悪の象徴であるゾアムルチをメビウスが倒したものの、ミライたちと握手はせずに去っていくビオの姿は「安直な解決にはしない、対立はそんなに簡単に解消できない」というメッセージが込められていましたし。
ですけどね。
リュウ隊員は、ミライ隊員がメビウスであることを知りながら友情を結んでいるはずなのに、宇宙人と見れば敵とみなして発砲するというのはどう考えても一人の人物として整合性が取れてないでしょう。
おまけに、警告も威嚇もなしに撃って怪我をさせた相手に、なんの謝罪もしないで「攻撃をやめてくれ」ってのはどう考えても人間としておかしいでしょう。
その上、そのリュウ隊員に「街が大変なことになってるんだぞ!」と言われてなんの疑問も抱かずメビウスに変身するミライはどう考えてもダメすぎるでしょう。
そこで「勝手なことを言うな。怪獣をおびき出したのはアンタだ!」と言わねえでどうすんだよ。
園長先生(斉藤とも子)が、怪獣が暴れているというのに悠長に思い出話を始めるあたりの脱力ぶりも、芦屋小雁の怨念みたいなものを感じてしまってどうもね。
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いや、いいところもいっぱいあったんですよ。
前作の場面を再現しているカットはかなり完成度が高いし、出演者もよく似たような人を見つけてきたもんだと関心させられましたし、メビウスがカラータイマーを点滅させる前にゾアムルチを倒すあたりも前作を踏襲してましたし。
でも、ストーリーのまずさを演出で帳消しにするのはやっぱり無理ですよ。
※その後追記
脚本を書いた朱川先生は、他の回の脚本を読ませてもらっておらず、『ウルトラマンメビウス』後半の基本設定である「仲間たちがウルトラマンの正体を知っている」という前提を知らずに書かれたそうです。なので他のエピソードとの整合性が崩れたんですね。これは朱川先生の責任じゃなくて、依頼したスタッフがちゃんと伝えなかったのが悪いと思いました。