空の贈り物

今週の「ウルトラマンマックス」は、先週とはうって変わって一大コメディ篇「わたしはだぁれ?」です。
最初に言っておきますが、フック星人は出ません

宇宙化猫ミケ・タマ・クロ(ビホルダーに猫のしっぽが付いている)の超能力により、人々が記憶を失っていきます。
このシークエンスは、団地の奥さんが抱っこしている赤ちゃんが明らかに人形だったり、九官鳥があからさまに小松政夫の「しらけ鳥」みたいなプロップだったりして、ちょっと不条理なタッチで演出されています。

DASH隊員も記憶を失い、ダッシュバードの操縦も出来なくなり、カイトはマックスへの変身のやり方も忘れてしまいます。
なんとか変身できたマックスですが、マクシウム光線のポーズも忘れていて、珍妙なポーズをいくつもやったあげくにTIMの「命!」までかましてしまいます。未就学児童も大爆笑間違いなしですね。

てんやわんやのDASH基地。黒部進がカレーを喰っているという時点でもうオールドファン爆笑決定です。スプーンの代わりにお皿を掲げ挙げるというクスグリも良し。

DVD ウルトラマン VOL.9

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DASHバードで高速回転しているショーン隊員に「もうずっと回っててください」と非情な指示をするアンドロイドのエリー。
今回はエリーが大活躍。アンドロイド萌えの人はお喜びですね。
戦い方を忘れて大ピンチのマックスにも適切な指示を与え、とっさに出た新技で三匹の怪獣を倒したマックスであったのでした。


三池崇史ウルトラマンを撮る」と聞いて、多くの人が思い浮かべたであろうムチャクチャなイメージに忠実な1本でした。
先週でヌイグルミを二つ使ってしまったので、予算が少なかったのでしょう。怪獣はとてもチャチなプロップで表現されており、かえっていい味を出しています。

やられた怪獣の目がバッテンになる、というのはいまどきそう観られる画ではありません
昔はよくあったんですけどねぇ。

この作品は、今になって読むと意外に古臭いマンガ的表現が目に付きます。
マリー・アントワネットをフランス王家に嫁がせてはどうか、という提案を受けた女王マリア・テレジアが、「キィーッ」と顔をバッテンにして怒る、という表現はインパクトがありました。今の少女マンガではありえませんからねぇ。


話をウルトラマンに戻しますと、先週に続いて今週のエピソードも概ね好評のようです。
もしかして円谷プロは、「帰ってきたウルトラマン」のいわゆる「11月の傑作群」のひそみにならい、「10月の傑作群」を作ろうとしているのでしょうか

DVD帰ってきたウルトラマン Vol.8

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DVD帰ってきたウルトラマン Vol.9

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「11月」でも、シリアスな「天使と悪魔の間に・・・」に続いて、上野隊員のラリパッパぶりが楽しい「落日の決闘」がありましたからね。


・・・ということは、次回は「怪獣使いと少年」ってことか。
大丈夫か?円谷さん