お前は平田だろう

毎週土曜の恒例となった「今週のウルトラマンマックス」をお届けします。


今週は、初代「ウルトラマン」イデ隊員役でおなじみの二瓶正也氏がゲスト出演。

トミオカ長官(黒部進)、ヨシナガ教授(桜井浩子)と旧交を温める…という、またしてもお父さん向けのサービスもあります。

怪獣にダッシュバードが撃墜され、負傷したカイトに代わってトミオカ長官が、イデ隊員ダテ博士が作った新兵器ダッシュバード3号を操縦して怪獣に挑むという、ウルトラマン版「スペースカウボーイ」みたいな話でした。

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カウボーイビバップ」第21話「ワイルド・ホーセズ」もそんな話でしたねぇ。
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燃えます。


さてさて今回。


ダッシュバード3号もやっぱり撃墜され、長官が失神してるスキに後部座席に乗っていたカイトがマックスに変身。

強敵怪獣に苦戦しますが、目覚めた長官の援護を得て怪獣を倒します。


そして長官、後部座席にいたはずのカイトが「おーい」って遠くから走ってくるのに対し「お前ドコ行ってたんだ!」とも言わずに無言で「うむっ」て感じで迎えます。


どう考えても、カイトがウルトラマンだということに気付いています。


この、「変身ヒーローの正体に、どうしてみんな気付かないのか」というのは昔からよくネタになってますね。

ピープロ製作のこの作品では、最終回近くになって主人公が「お前はいつも肝心なときにいないじゃないか!」と責められます。

そりゃタイガーセブンに変身してるからだ!と言い返すことはもちろんできません。
でも、よく考えるとヒーローが正体を隠す理由ってわかんないんですよね。

世間に知られてしまうと大騒ぎになるから、というのはわかりますが、それでも仲間には明かしておいた方がなにかと便利だと思うんですけどねぇ。

仮面ライダー VOL.1 [DVD]

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仮面ライダー」シリーズでは、小林昭二氏演じる立花藤兵衛がライダーの理解者として登場。
この人はライダーの正体を知っていて、なにかとライダーの面倒を見ていました。
放送当時の幼年誌の記事によると、生活費まで立花のおやっさんが出していたそうです。

「ヒーローは基本的に無職」という、日本の伝統がここに生きているわけですね。


ウルトラマンシリーズでは、主人公は地球防衛チームに所属しているので、無職というわけではありませんが、それならなおさら正体はみんなに明かしておかないとまずいでしょう。

こんな重大な秘密を抱えたままではチームワークに支障をきたしますからねぇ。

DVD帰ってきたウルトラマン Vol.8

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帰ってきたウルトラマン」第31話「悪魔と天使の間に…」では、聾唖の少年に化けてウルトラマン抹殺を企むゼラン星人の正体について、テレパシーでそれを知った郷秀樹隊員の言動を、伊吹隊長が「こいつはオカシイんじゃないか」と危惧するという展開があります。

最終的に、郷隊員は「ウルトラマンが倒されたら、あの少年を撃ってください」と言い残して怪獣プルーマに単身立ち向かい、怪獣を倒したもののウルトラブレスレットを遠隔操作されてピンチになりますが、隊長が少年(に化けたゼラン星人)を射殺して一件落着します。


どう考えても、郷がウルトラマンだと気付くはずです。


名作と名高い第33話「怪獣使いと少年」でも、托鉢僧に化けた隊長が戦いを拒否する郷を諭し、ウルトラマンに変身して怪獣ムルチに立ち向かうというシーンがありました。

DVD帰ってきたウルトラマン Vol.9

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ここなんか、隊長が郷の正体を知ってないと成立しえないシークエンスです。


「なぜ隊長がお坊さんになっているのか」というのは昔からファンの間でよく話題になっており、「あれは隊長に化けたゾフィーという説すら出ています。

UH2 ゾフィー

UH2 ゾフィー


夫婦の間でも秘密を持ってはいけないといわれます。
地球を守る人々に秘密があってはいかんでしょうなぁ。