怪奇と差別

今年の6月に2ちゃんねるに投稿された、「ことりばこ」という怪談があります。
http://61.115.120.230/2ch/kotori1.htm
http://61.115.120.230/2ch/kotori2.htm
まとめBlog http://blog.livedoor.jp/kotori_bako
現行スレことりばこ本館 6箱目

要約すると、

  • 明治初年に、島根県被差別部落で作られた、8つの呪いの小箱があった。
  • 寄木細工で作られたその小箱には、牝のケモノの血が塗りこめられた上に、中には間引きされた子供の指とへその緒が封じ込められている。
  • この箱に近づいた女・子供は、はらわたがちぎれて死ぬ。
  • カキコ主の友人(神主)が、それを祓う使命を持っている。
  • それらの小箱は、地域に代々受け継がれて厳重に隠されている。
  • しかし、特別な作り方による最後の一つが行方不明になっていて、カキコ主は情報を求めている。

というストーリー。

どことなく「帝都物語」とか「犬神の悪霊」の影響が感じられますね。

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goo映画: Movie × Travel — 旅のような映画 映画のような旅


怪奇・ホラーものには、「差別もの」、もっといえば「部落もの」とでもいうべきジャンルがあります。
http://www.vega.or.jp/~bazil/junkvideo/tibet_in_japan.htm
「姑穫鳥の夏」にも「オショボ憑き」というのが出てきましたね。


なんだか、こういう風に「虐げられた民衆の怨念が生んだ呪い」という設定を持ち出すと、浮世離れのした話にもある種のリアリティを感じてしまう、というのも差別感情の一つなんでしょうか。


あいつらなら、何をやってもおかしくない。


という。


とはいいつつ、生まれも育ちも東北の、生粋の北日本人のわたしにとって「部落」というのは単に「集落」と同じ意味しか持たない言葉であり、差別を受けている地域を見たこともなければ実例を耳にしたこともないので、「あいつら」といっても具体的なイメージはまったくなかったりするのですが。

乏しいイメージの元になっているのがこの映画だったりもします。

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ちなみに、この映画で部落の酋長を演じているのが高木均
バーバリアン系のメイクですが、いつもながらの包容力をいかんなく発揮してくれます。



というわけで、貧乏人と金持ちという階層的差別を描いたこの映画を、これから観てきます明日にします。
http://www.lotd-movie.jp/top.html