井上尚弥、幻の右

今日は井上尚弥WBOスーパーフライ級防衛戦をテレビ観戦。対戦相手のペッチバンボーン・ゴーキャットジムはWBO1位で、3戦連続でランキング1位の選手を迎えるあたりはさすがの野心ですが、今回もまた井上は強打で右拳を痛めてしまい、後半はほぼ左一本で戦うはめになっておりました。


それでも、10ラウンドには相手がぐらついたチャンスに連打を集め、痛む右でストレートを打ち込み、みごとノックアウト勝ちをおさめました。


勝利者インタビューのとき、グローブとバンデージを外した右拳を見ると、中指と薬指の付け根から出血していましたので、やはり相当なダメージがあったようです。まぁさすがに開放骨折とかそこまでの事態にはなっておりませんでしたが、もうこれは井上の弱点としてずっと付き合うしかないんでしょうね。「井上尚弥は、5ラウンドを過ぎると右が使えなくなる」という欠点は、もうカバーしようがないということでしょう。かつてガッツ石松は、タイムラグなしで繰り出すワンツーパンチを「幻の右」と称していましたが、井上の右強打もこのままでは幻のパンチになってしまうかもしれません。



井上の今後のプランとして、河野公平を破りWBAスーパーフライ級王座を獲得したばかりのルイス・コンセプシオンとの対戦も噂されていたところですが、試合後には、大橋秀行会長がリングに上がり、来週にカリフォルニアで開催されるローマン・ゴンサレスvsカルロス・クアドラスのWBCスーパーフライ級タイトルマッチを観戦するため、井上を帯同し渡米し、期待されている井上vsロマゴン戦を実現させるための交渉を行うと宣言いたしました。
ロマゴンはWBCフライ級王座を保持したまま、ひとつ上のスーパーフライ級に挑むということになります。勝てば4階級制覇の偉業ですが、クアドラスも強豪。いかにロマゴンといえども楽には勝てないでしょうが、とにかく成り行きを見守りたいと思います。


ロマゴンとやるにせよクアドラスとやるにせよ、相手は帝拳ジムの息がかかった選手なので、興行の開催権をめぐりテレビ局も交えた(帝拳&日テレ、大橋&フジ)激しい戦いが繰り広げられることでしょう。そして、WBAコンセプシオンも含め、どのリングでどの選手とやるにせよ、井上尚弥が勝つためには、3ラウンドまでにノックアウトする以外の戦法はない、とワスは見ましたね。というか、また拳の手術とかしたらいつ復帰できるかわかんないなあ。心配です。