人間以外の俺になれ
- 作者: 平野耕太
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2016/06/06
- メディア: Kindle版
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古今東西の英雄や将軍が集う「漂流者」と「廃棄物」の両陣営ですが、ふつうに考えて、戦略を練る将軍の立場にある人間は、あとの時代から来た人ほど有利になるわけですよね。古代ローマと20世紀では、歴史に学ぶケーススタディが桁違いなわけですから。となると、山口多聞が戦略面では明らかにいちばん有利な人物であり、かつ、両陣営メンバー全員の人となりをちゃんと知っている(ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドのことは知らないかもしれないけど)人物が出てきたことで、劇中に、読者とある程度同じ目線が入るわけです。これで物語全体がつかめるようになりました。(サン・ジェルミ伯は謎が多く、読者の共感を得づらい人物である)
それにしても、古代ローマとか源平合戦とか戦国時代とか、幕末ぐらいまでなら実在の人物を好き勝手に書いても心配ないでしょうけど、近しい遺族がまだ存命であろう山口多聞や菅野直を、こういうバトル漫画に出すってのはかなり思い切ったやり方だよなあ、と改めて思いましたね。だって菅野なんて明らかなバカに描かれてるんだもん。いろんな人に怒られるんじゃないかと心配になりました。