敵は本能寺に有り

連休のおともは漫画に限る、というわけで最近発売されたものをいくつか買ってきたんです。


ミカるんX 6 (チャンピオンREDコミックス)

ミカるんX 6 (チャンピオンREDコミックス)

高遠るいの『ミカるんX』第6巻。主人公たちの過去を物語るタイムスリップ篇で、『ウルトラマンレオ』の「日本名作民話シリーズ」へのオマージュかと思いきや、真正面から主人公をキリストにしてしまうヤバめのネタを盛り込んでくるので、あいかわらず油断ならない漫画家です。


激マン! 1 (ニチブンコミックス)

激マン! 1 (ニチブンコミックス)

永井豪の『激マン!』第1巻。ここ数年はやりの漫画家自伝漫画のひとつですが、名作『デビルマン』執筆時の詳しい事情を描いていて豪ちゃんファンには非常に読み応えのある作品になっています。ただ、『デビルマン』のストーリーを詳しく説明するために、作品の半分ぐらいが『デビルマン』の再現という独特の構成になっていて、やや展開がまだるっこしいきらいはあります。しかも、古い絵柄を再現しているわけではなく、ノンフィクションパートとデビルマンパートが同じ絵柄でシームレスに接続されているので、『デビルマン』を読んでない人には読みづらいでしょうね。まぁ『デビルマン』読んだことなくて『激マン!』読む人ってあんまりいないでしょうけど。



[rakuten:book:13843236:detail]
土山しげるの『極食キング』第2巻。『喧嘩ラーメン』に登場した悪役の織田獅子丸と、『食キング』から通して主人公の北方歳三が対決するという、シリーズを通してのファンにはたまらない展開になっていますが、はてなでこのシリーズのことを書いても誰にも通じないのが悲しい。みんな、萌えばっかりじゃなくたまにはオヤジ漫画も読んでみなよ。


土山しげるのB級グルメ漫画には、「安直なご当地・歴史ネタを入れる」という大きな特徴がありますが、今回も絶好調です。

  • 野心家の織田獅子丸が、尾張から京都へ進出して「天下ふぐ」というふぐ料理店を出店
  • 強引なチェーン展開によって京都の飲食店を次々に潰してゆく
  • 再建によって対抗する歳三を倒すため、よせばいいのに部下の明智を歳三のもとへ送り込む
  • 明智なのでもちろん獅子丸を裏切り、歳三の側に寝返る
  • 歳三のプロデュースで、本能寺のあった場所にステーキ店を開業
  • 「テキは本能寺に有り」

いつもながら、わかりやすいなぁ。


歳三と織田が敵対する、という構成は平野耕太の『ドリフターズ』と共通しますが、ネタとしての昇華ぐあいではこっちの方が勝るかもしれませんね。

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)

ドリフターズ 1 (ヤングキングコミックス)


なお、漫画の中に出てくるお店の住所は現在の本能寺のもので、信長が斃れた旧本能寺跡は別の場所です。実際には、市立高校と特別養護老人ホームがあるそうです。