利己的な国民の面倒を見てあげるのは議員の義務!
政府高官の失言が相次ぐ昨今ですが、若手議員からもニュースターが誕生いたしました。
SEALDsという学生集団が自由と民主主義のために行動すると言って、国会前でマイクを持ち演説をしてるが、彼ら彼女らの主張は「だって戦争に行きたくないじゃん」という自分中心、極端な利己的考えに基づく。利己的個人主義がここまで蔓延したのは戦後教育のせいだろうと思うが、非常に残念だ。
— 武藤貴也 (@takaya_mutou) 2015, 7月 30
この武藤貴也という人(世沢翼にちょっと似ている)は、昭和54年生まれというからぼくより若く、自民党の全国公募で滋賀県の選挙支部長になり、いまは衆議院議員として2期目をつとめているそうです。東京外語大→京大院という高学歴のインテリでもあるようです。それで「戦争に行きたくない、というのは利己的個人主義」とか言っちゃうんだなぁ。『永遠の0』のモブ隊員かよ。
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自民党の幹部職員が「SEALDsは民青 過激派 在日 チンピラの連合軍」とツイートするなど、このところ安保法制反対デモに対する政権の反応が過敏になっていますが、この武藤議員のツイートもその一環でしょう。「デモなんて無駄だ」という人はいっぱいいるけど、少なくとも、精神的にいくらかのプレッシャーを与える効果はあるようです。
んで、全国的にはまったく無名だったにも関わらず、この炎上でにわかに脚光を浴びた武藤議員ですが、過去のブログ記事も発掘され、こんな逸材が眠っていたとは、と衝撃を与えています。
反ワクチン論や、「稲作は日本から朝鮮に伝わった」など各分野でのトンデモもなかなか味わい深いですが、これがいちばんすごいかなぁ。
日本国憲法によって破壊された日本人的価値観。|武藤貴也オフィシャルブログ「私には、守りたい日本がある。」Powered by Ameba
そもそも「日本精神」が失われてしまった原因は、戦後もたらされた「欧米の思想」にあると私は考えている。そしてその「欧米の思想」の教科書ともいうべきものが「日本国憲法」であると私は思う。
日本の全ての教科書に、日本国憲法の「三大原理」というものが取り上げられ、全ての子どもに教育されている。その「三大原理」とは言わずと知れた「国民主権・基本的人権の尊重・平和主義」である。
戦後の日本はこの三大原理を疑うことなく「至高のもの」として崇めてきた。しかしそうした思想を掲げ社会がどんどん荒廃していくのであるから、そろそろ疑ってみなければならない。むしろ私はこの三つとも日本精神を破壊するものであり、大きな問題を孕んだ思想だと考えている。
解釈改憲どころか、三大原理を否定しちゃったよ!
憲法99条には、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」とあるんですけど、武藤議員は、国民の義務には敏感でも議員の義務は気にしないようです。
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とはいえ、この武藤議員がこういうブログを書いたりツイッターでつぶやいたりするのを、高等教育を受けた人の知的能力が劣化したとか、そういう問題だとは思わないんですよね。
というか、武藤議員が本当に心からこう考えているとも、オレは思わないんですよ。
武藤議員のツイッターやブログをいくつか読んでいくと、目につくのが、驚くほどのオリジナリティのなさです。どこかのネトウヨ系サイトから拾ってきたような文句ばかりで、自分自身の実感を伴った言葉がほとんどないんですよね。人工無脳のワードサラダみたいな、無味乾燥な内容です。
武藤議員は、学歴はあるけど世襲の後ろ盾を持たず、公募で議員になった人なので、いまの政権ではそれほど出世の見込める出自ではありません。
そんな彼が、上層部の気に入られるために、なりふりかまわず媚を売り続けてきた、その数年間の集積が、武藤議員のブログやツイッターに表れていると思うんですよね。ただひたすら己を空しくして、イエスマンに徹する。本来の顧客である国民の支持すら考える余裕はなく、ひたすら組織の歯車として生きる。そんな悲しい人生を感じるなぁ。
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