百田より左、小林より右

話題騒然のニュース。


「経団連に働きかけ、マスコミ懲らしめを」 自民勉強会:朝日新聞デジタル 「経団連に働きかけ、マスコミ懲らしめを」 自民勉強会:朝日新聞デジタル
「商売になるから」百田氏発言はもっとカゲキだった - 社会 : 日刊スポーツ 「商売になるから」百田氏発言はもっとカゲキだった - 社会 : 日刊スポーツ

 25日の自民党若手勉強会での主な発言要旨は次の通り。


 ▽作家の百田尚樹氏 (政府は安全保障関連法案に関して)国民に対するアピールが下手だ。気持ちにいかに訴えるかが大事だ。


 ▽出席議員 マスコミをこらしめるには広告料収入がなくなることが一番だ。われわれ政治家には言えない。ましてや安倍晋三首相は言えないが、文化人、民間人が経団連に働き掛けてほしい。


 ▽井上貴博衆院議員 青年会議所の理事長のときにマスコミをたたいてみた。日本全体でやらないといけないことだが、広告料収入、テレビの提供スポンサーにならないことが一番こたえるということが分かった。経団連も商工会も「子どもたちに悪影響を与えている番組ワースト10」とかを発表して、それに(広告を)出している企業を列挙すればいい。


 ▽別の出席議員 関連だが、沖縄の特殊なメディア構造を作ってしまったのは戦後保守の堕落だった。左翼勢力に完全に乗っ取られている。


 ▽百田氏 沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない。あってはいけないことだが、沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ。米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)は田んぼの中にあった。周りに行けば商売になるということで(人が)住みだした。騒音がうるさいのは分かるが、選んで住んだのは誰なのかと言いたくなる。基地の地主は年収何千万円だ。六本木ヒルズとかに住んでいる。ですから基地が移転したら、えらいことになる。沖縄に住む米兵が犯したよりも、沖縄県民自身が起こしたレイプ犯罪の方が、はるかに率が高い。左翼の扇動に対して立ち向かう言葉とデータをもって対抗しないといけない。(共同)

うわぁ。

百田氏「沖縄2紙つぶせ」発言は「雑談の中で冗談として言った」 (スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース 百田氏「沖縄2紙つぶせ」発言は「雑談の中で冗談として言った」 (スポニチアネックス) - Yahoo!ニュース

 作家の百田尚樹氏(59)が26日、自身のツイッターを更新。前日25日に自民党の若手議員が党本部で開いた憲法改正を推進する勉強会「文化芸術懇話会」の初会合に講師として招かれ、「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない」などと発言したことについて「講演で言ったものではない。講演の後の質疑応答の雑談の中で、冗談として言ったものだ」と釈明した。


 沖縄県の地元紙が政府に批判的だとの意見が出たのに対し、百田氏は「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない。沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」と主張した。

 出席議員からは、安全保障関連法案に対する国民の理解が広がらない現状を踏まえ、報道機関を批判する意見が噴出。「マスコミをこらしめるには広告料収入をなくせばいい。文化人が経団連に働き掛けてほしい」との声が上がった。

 百田氏は前日25日夜には「ギャグで言った言葉を切り取られた。しかも部屋の外から盗み聞き!卑劣!それにしても、報道陣は冒頭の2分だけで退室したのに、ドアのガラスに耳をつけて聞き耳してるのは笑った。しかし、正規の取材じゃなくて盗み聞きを記事にするのは、ルール違反だし、卑劣だろう!」とツイートした。

こんな言い訳と逆ギレが、大人の世界で通るもんかね。


これに関連して、沖縄の新聞社が連名で抗議声明を出したり、政府首脳が釈明したりしてますけど、誰か経団連にコメント取りにいかないんですかね。


経団連の首脳に、「政府から要請があれば言論弾圧に手を貸すんですか?」と聞いたら、どんな答えが返ってくるのかなぁ。
民主主義の根底を否定するんだから、そうとうの見返りがなかったら手を貸さないだろうなぁ。労働法の全廃どころじゃ済まないだろうなぁ。



んで、この勉強会があったウラでは、リベラル派の議員が予定していた勉強会は中止に追い込まれ、そこで講演する予定だった小林よしのりがこんなことを言っています。
小林よしのり氏「ああ、負けたんだなと」 勉強会中止:朝日新聞デジタル 小林よしのり氏「ああ、負けたんだなと」 勉強会中止:朝日新聞デジタル

 25日の「過去を学び『分厚い保守政治』を目指す若手議員の会」で講演予定だった小林よしのり氏が、朝日新聞の取材に語った内容は以下の通り。

 勉強会の中止については「国会が空転しているから」という説明があっただけだ。その理由ならば、なぜ安倍首相シンパの会合は(同じ日に)できて、リベラル派の会合は開けないのか。「ああ、負けたんだな」と思う。小選挙区制によって、執行部の抵抗勢力になるのが怖くなったのでしょう。自民は全体主義になっている。

 安全保障法制をみても、安保環境の変化というのは、中国が怖いから対米追随を強めるんだ、と。つまり、安倍政権は、中国へのおびえから、立憲主義が崩壊するほど切迫した事態があるのだと言っているわけで、そんなのは強迫神経症だ。

 憲法を変えずにやって、さらに憲法を改正しようとしたら、国民は「まだ足らんのか」となり、国民投票で負けてしまう。改憲派のわしには、それじゃあ困る。安倍政権は取り返しのつかないことをやっているのだ。

小林よしのりを呼ぶのが「リベラル派」だというのも悪い冗談としか思えませんが(パンクのフェスにキング・クリムゾンが出るぐらいおかしい)、「負けたんだな」ってのも、誰が誰に負けたのかよくわかりませんね。


少なくとも、小林よしのりにとってこれは勝利でしかないでしょう。よしりんが種をまいて育ててきた芽が、大輪の花を咲かせたってことなんだから。
自分が育てた者たちが、やがて自分を超えて大きく成長していくのを、喜ぶべきなんじゃないのかね、いい歳なんだから。


それにしても、いまの政権が認めてもいい思想の幅ってのは、百田尚樹小林よしのりの間ってことなんですねえ。どんだけ右に偏れば気が済むんだか。