護身完成

渡辺謙のこのツイートが、注目を集めています。



戦力を強めることより、友好関係を強めることが抑止力になる、という主張です。例によって「隣国の悪辣非道な奴らにはそんな理想は通じないんだぜ」という自称現実派から総攻撃を受けていますが、オレは、この意見によく似たことを言っていた人物をひとり知っています。
不世出の武道家・塩田剛三直伝 「達人」の秘訣は「呼吸力」にあり

不世出の武道家・塩田剛三直伝 「達人」の秘訣は「呼吸力」にあり

不世出の達人と呼ばれた、合気道家の塩田剛三。『グラップラー刃牙』シリーズにおける渋川剛気のモデルになった人物として、漫画ファンにもよく知られています。


この塩田剛三はですね、「合気道でいちばん強い技は何ですか」という弟子の質問に、「自分を殺しに来た相手と友だちになることだ」と答えた、というエピソードの持ち主なんですね。

板垣恵介の激闘達人烈伝 (徳間文庫)

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渡辺謙のツイートは、平和ボケしたお花畑発言なんかではなく、武道の極意にも通じる発想ではないかと思うんですが、いかがなものでしょう。


ちなみに、塩田剛三をモデルにした渋川剛気は、護身の武道を完成させたため、危険が待つ場所へ行こうとすると転んでしまったり、目の前に閉ざされた門の幻影が現れたりしますが、これを戦争に例えるならば、戦場へ向かおうとしても戦闘機のエンジントラブルで飛び立てない、とかでしょうか。もしくは、最高裁自衛隊の出動命令を違憲と断じたため出動できない、とか。つまり憲法9条こそ護身の完成である、というわけだ!(錯乱