恥ずかしいカラダDOCUMENT

※今日はアダルトビデオの話です。





東日本大震災からすでに4年が経過し、その記憶もだんだん薄れてきたのを感じます。このままでいいのだろうか、と思ったわけでもないんですけど、ちょっと刺激を受けたくてこんなビデオを見ました。


2011年の4月に撮影された作品。カンパニー松尾監督と、ギャル系女優の愛咲れいらによるAVですが、前半では例によって彼女の生い立ちやAV出演に至る経緯をインタビューしてからホテルの部屋でのハメ撮り、後半では彼女が中高時代を過ごしたという仙台へ行き、震災からわずか1ヶ月後の津波被災地を生々しく映すという、異色のドキュメントです。撮影の時点ではまだ東北新幹線が運転を再開していなかったので、わざわざ飛行機で仙台まで来ているのが印象的でした。再開したばかりの仙台空港に近づくと、津波で破壊された沿岸の風景が現れ、松尾監督も愛咲れいらも言葉を失います。


津波が町を襲う模様を収めた映像ソフトはいっぱいあるんですけど、ぼくらが実際に目の当たりにしていた、津波からしばらく経った町に瓦礫やヘドロや車の残骸が散乱している光景って、意外と目にする機会が少ないんですよね。ああ、こんなんだったなぁ、という記憶が、腐った海水とヘドロの混じった独特の匂いとともに甦ってまいりました。


主演女優の愛咲れいらは、本編中のインタビューでも語っていますが精神的に不安定なところがあり、安定剤のオーバードーズ経験も告白しているし、左手にはリストカットの跡がいくつも確認できます。そんな彼女なので、かつて暮らしていたという七ヶ浜町(萌えオタには『かんなぎ』の舞台として有名)で無残に破壊された海岸の様子を見て完全に取り乱し、ハンドバッグから大量のパワーストーンを取り出して身に着けようとするのが、何ともリアルでありました。仙台市内に戻ってから、松尾監督とまたハメ撮りをするんですが、そこでは前半のプロらしい絡みとはうって変わり、松尾監督にしがみついて泣きじゃくるというのも、あのころ被災地で過ごしていた人々の、微妙にテンパった精神状態とシンクロしていましたね。移動する車の窓から見える光景も知っている場所ばかりだったし、最後のハメ撮りをやるラブホテルも、オレが若いころ行ったことのあるところだったので、妙な親近感がわいたというか。


ちなみに、この愛咲れいらは2004年に別名義でAVデビューして2008年にいったん引退、2011年に新芸名で復帰してまもなく震災に遭遇するという、なかなか波瀾に富んだキャリアを過ごした女優なのでありました。2013年にまた引退しましたが、2014年には再復帰しているので、まぁいろいろたいへんなんだろうなというおぼろげな推測はできますが、その辺は深く考えないのが、AVファンのマナーとされています。