不完全燃焼

今週はいろいろ忙しくて、タートル今田監督の「あの娘のドキュメント」第三弾『佐々木恋海のすべて』をレンタルしたものの、じっくり観られなかったのが残念。

佐々木恋海は、2011年に別名義でデビューし、2013年に大手事務所へ移籍して改名再デビュー。むっちりした身体つきと理想的なタヌキ系の顔立ちで、愛嬌のかたまりのような女優です。人気がありましたが2014年に無期限の活動休止(事実上の引退)を発表しました。このビデオはほぼ引退作に近く、今田監督は最後に彼女の素顔を撮るべく、房総半島へ2泊3日の旅に出かけるという趣向です。


シリーズ第一弾『春原未来のすべて』は女優の人生観があまりに特異だったので衝撃的ドキュメントに仕上がり、第二弾『江波りゅうのすべて』はマネージャーの高田龍社長が元プロレス関係者だったのでそちら方面で注目されましたが、第三弾はあまりギミックがなく、いちばん正統派のAVになっていると言ってもいいかもしれません。

ゴング 4号 (タウンムック)

ゴング 4号 (タウンムック)

(『江波りゅうのすべて』は「ゴング」で松本ペールワンが紹介したこともある)


「とにかく恋海さんのやりたいようにさせる」というテーマのもと、海辺の町をぶらぶらするふたり。誰もいない砂浜にシートを敷いて、いっしょにお昼寝するあたりは何ともいえん癒しの空気に満ちておりました。


そして最終日のハメ撮り前に、今田監督はこの作品を撮ろうと思ったきっかけを、佐々木恋海さんに語ります。その内容についてはビデオを観てもらうとして、とかく「女優をエロく撮ればそれでいい、それがプロの仕事だ」とされがちなAVにおいても、「女優のみならず男優や監督にもドラマがあり、女のドラマと男のドラマが交錯する瞬間にエロスがある」という撮り方をしている監督がいるのだ、ということがわかりますね。それゆえに、今田監督が所属するハマジムのビデオは、ユーザーの間でも好みが分かれるところではありますが、こういう作品もあっていいとオレは思います。やっぱりこのシリーズはレンタルじゃなくて、ちゃんと買って観ないとダメだなぁ。もっとじっくり味わって、観なおすことにしよう。


個人的には、佐々木恋海の背格好や顔立ちが、今田監督が『BiSキャノンボール』で組んだプールイとタイプ的に近いのも印象的でした。

月刊 BiS×米原康正(プー・ルイ EDITION)

月刊 BiS×米原康正(プー・ルイ EDITION)

きっと今田さん、こういう相手が得意なんだろうなぁ。