究極(の抗議)vs至高(の塩対応)

ワスは毎週「ビッグコミックスピリッツ」を手に取ると鼻血が出るので(因果関係は不明です)内容はよく知らないんですが、長尾謙一郎の『クリームソーダシティ』いう漫画が連載されていてですね。

まぁシュールな漫画だという話なんですが、今週号でこんなアナウンスが出たとか。


コミックナタリー - 長尾謙一郎「クリームソーダ シティ」未完のまま連載終了 コミックナタリー - 長尾謙一郎「クリームソーダ シティ」未完のまま連載終了

 本日5月12日発売の週刊ビッグコミックスピリッツ24号(小学館)にて、長尾謙一郎「クリームソーダ シティ」の連載が終了するとアナウンスされた。このことを受け、長尾はコメントを発表している。


「クリームソーダ シティ」は売れないミュージシャンの2人組が迷い込んだ、謎の楽園にまつわる物語。単行本は1巻が発売されており、2巻は6月末に発売される予定だ。

長尾謙一郎コメント

この度、小学館ビッグコミックスピリッツ」誌上にて連載を続けてまいりました『クリームソーダシティ』は、ある“権力からの勧告”を受け、
本日発売のスピリッツ24号を最後に未完のままで終わることになりました。


まず、楽しみにしていた読者のみなさまに心からお詫び申しあげます。


前述の“権力の勧告”に関しまして、詳細は私からは申し上げられません。
担当者も最後の最後まで作品の為に抵抗してくれたのですが、
結果としてこのような事になってしまいました。


一体、今作のどの部分がひっかかったのか、詳細は知らされておりません。


確かに『クリームソーダシティ』は、反倫理的で反道徳的な作品だという見方はあります。
ある意味『悪徳のすすめ』を扇動してるようにも見えます。
しかし、私個人としては、創造とは“数字”も”言語”も超越した
いわゆる『善悪の彼岸』に立たざるをえないものだと考えております。
どんな反社会的な作品も、創造的で斬新なものは
結果的に世界に対し平和的な効果を持っていると、私は考えております。
つまり、この事態を不当であり理不尽だと感じております。


近頃、『表現の自由』の『自由』の範囲が、狭くなり、
日本という国が、きな臭くなってきてるような気がしています。
言論統制などという恐ろしい言葉も日常的に耳にするようになりました。
私に降りかかったこの事態が、あくまで私個人の問題であり、社会全体の問題ではないことを願います。


長尾謙一郎

“権力からの勧告”の実例


大阪府/漫画『美味しんぼ』での本府の災害廃棄物処理に関する記述について 大阪府/漫画『美味しんぼ』での本府の災害廃棄物処理に関する記述について

 平成26年5月12日に発売された小学館の週刊ビックコミックスピリッツに掲載された「美味しんぼ」に
本府の災害廃棄物処理に関連する記述がありましたが、下記のとおり、作中の記述にあるような状況
は認められず、災害廃棄物の処理は全て安全に終了していますので改めてお知らせします。

作中の記述について

「大阪で、受け入れたガレキを処理する焼却場の近くに住む住民1000人ほどを対象に、お母さんたちが調査したところ、
放射線だけの影響と断定はできませんが、眼や呼吸器系の症状が出ています。」
「鼻血、眼、のどや皮膚などに、不快な症状を訴える人が約800人もあったのです。」

これについては、大阪市が、処理を行った焼却工場の存在する此花区役所、同保健福祉センター、此花区医師会に
確認をしましたが、処理中においても、その後においても、そのような状況は認められませんでした。

災害廃棄物受け入れの安全性について

大阪府大阪市が行った、災害廃棄物の広域処理は、岩手県からの要請を受け、岩手県宮古地区(宮古市、岩泉町、田野畑村
の災害廃棄物を受け入れました。
受け入れに際しては、宮古地区において放射性物質の濃度を測定するなど安全を確認し、運搬、焼却など処理の各過程でも
空間放射線量率などを測定し安全を確認しています。
その結果各過程の空間放射線量率については全て受け入れの前後で値に変化はなく、安全に処理していることを
確認しています。


また、今回の記述については、大阪府及び大阪市は事前の取材は一切受けていません。


災害廃棄物の受け入れに関する測定結果などの詳細は下記をご参照ください。


なお、大阪府及び大阪市は、平成26年5月12日、雑誌発行元の小学館に対して抗議を行いました。


岩手県の災害廃棄物の受入れについて(処理は終了しました)』
URL:http://www.pref.osaka.lg.jp/shigenjunkan/haikibutukouikishori/index.html
東日本大震災により生じた廃棄物の広域処理関連情報』
URL:http://www.city.osaka.lg.jp/kankyo/page/0000163892.html
大阪府大阪市による小学館への抗議について
URL:http://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=16432

週刊ビッグコミックスピリッツ「美味しんぼ」に関する本県の対応について - 福島県ホームページ 週刊ビッグコミックスピリッツ「美味しんぼ」に関する本県の対応について - 福島県ホームページ

 週刊ビッグコミックスピリッツ4月28日発売号の「美味しんぼ」の内容につきまして、県内外の多くの皆様から、出版社に対して県として対応すべきであるとの多くのお声をいただいております。

 「美味しんぼ」において、作中に登場する特定の個人の見解が、あたかも福島の現状そのものであるような印象を読者に与えかねない表現があり、県内外の多くの皆様に不安と困惑を生じさせており、県としても大変危惧しております。

 県では、これまで全ての県民を対象とした「県民健康調査」「甲状腺検査」「ホールボディカウンター」等により、県民の皆様の健康面への不安に応える取組を実施してまいりました。
 また、県産農林水産物については、「農地等の除染」「米の全量全袋検査などの徹底したモニタリング検査」等により安全性の確保と、正しい理解の向上に取り組み、市場関係者や消費者の理解が進むとともに、観光分野においても、観光客入込数が回復傾向にあるなど、ようやく本県への風評も和らぎつつある状況に至ったところです。

 このような中、「週刊ビッグコミックスピリッツ」4月28日及び5月12日発売号の「美味しんぼ」の表現は、福島県民そして本県を応援いただいている国内外の方々の心情を全く顧みず、深く傷つけるものであり、また、本県の農林水産業や観光業など各産業分野へ深刻な経済的損失を与えかねず、さらには国民及び世界に対しても本県への不安感を増長させるものであり、総じて本県への風評被害を助長するものとして断固容認できず、極めて遺憾であります。

 「美味しんぼ」及び株式会社小学館が出版する出版物に関して、本県の見解を含めて、国、市町村、生産者団体、放射線医学を専門とする医療機関や大学等高等教育機関、国連を始めとする国際的な科学機関などから、科学的知見や多様な意見・見解を、丁寧かつ綿密に取材・調査された上で、偏らない客観的な事実を基にした表現とするよう強く申し入れております。

 また、これまでの経過を次のとおり併せてご報告させていただきます。

 4月30日に出版社より本県に対して、「[5月19日発売号]において、漫画の誌面では掲載しきれなかった様々な意見を紹介する検証記事を掲載する」として、次の3点に関する取材又は文書回答を求める依頼があり、さらに、5月1日には[5月12日発売号]に掲載する「美味しんぼ」原稿の送付がありました。

 (出版社から取材依頼のあった事項)
  ・「美味しんぼ」に掲載したものと同様の症状を訴えられる方を、他に知っているか。
  ・鼻血や疲労感の症状に、放射線被曝(※依頼原文では「被爆」)の影響が、要因として考えられるかどうか。
  ・「美味しんぼ」の内容についての意見

 本県においては、上記に対して5月7日に出版社あて以下のとおり県の見解を示し、申し入れしております。

■出版社へ申し入れした内容
 ・「週刊ビッグコミックスピリッツ」4月28日及び5月12日発売号における 「美味しんぼ」について【PDFファイル/143KB】

 今後も本県の正確な情報の発信に努めながら、復興に向けて全力で取り組んでまいります。

さすがにシュールな世界観で知られる長尾謙一郎、打ち切りを決めた編集部へのイヤミが炸裂しているなぁ。

PUNK 1 (ジェッツコミックス)

PUNK 1 (ジェッツコミックス)


ちなみに今週の『美味しんぼ』では、井戸川前町長を不信任した双葉町議会を「そんな町議会はおかしい」「井戸川さんがいては困る勢力がある」などと名指しで書いているので(言っているのは東西新聞の社員なので、いちおう架空の人物による見解ではある)双葉町の再抗議は必至でしょう。


とはいえ、山岡士郎に代わって「究極のメニュー」担当になった飛沢は、「福島にはもう人は住めない」「真実を言うと解任される」などというショッキングな話より、山岡と海原雄山が親子そろって鼻血を出したことがうれしくてたまらない様子だったので、やっぱりムカつく野郎だな、との思いを新たにしたのでありました。つうかあの新キャラは誰が支持しているんだよ。相棒の難波(関西弁のムカつくデブ)なんて、フルネームが難波大助だという時点でヤバいだろ。