ロックアップ

猿渡哲也の『ロックアップ』一巻が発売になりました。

潰れかけのプロレス団体「あかつきプロレス団」を率いる、末期がんのレスラー「サムソン高木」と、彼を取り巻く仲間やファンたちの人間模様を描くプロレス人情漫画です。
『タフ』で長年にわたってプロレス・格闘技の世界を描いてきた猿渡哲也ですが、今作ではプロレスの「暗黙の了解」に踏み入り、ブックの存在を前提としながら貧乏団体の悲哀を主題にしているあたりが新鮮です。
実在の人物をもじった安直なキャラクターも健在で(でも「和田アキ夫」は正直ねえわと思った)、おなじみのアシスタントによる生気のないモブキャラ(タフスレでは「マネキンモブ」と呼称されていた)も楽しめます。プロレスとタフのファンなら読んで損はないでしょう。まぁファン以外は無理して読むほどでもないけど。