龍を継ぐ男

ツイッターをうろうろしておりましたら、なぜか「フラッシュモブ」について賛否両論、というか「否」のほうがだいぶ勝っているようすが目に入りまして。



フラッシュモブ」という言葉を知らない人もいるかもしれませんが、街頭などの公共空間で、通りすがりを装った人たちが突然踊り出したり演奏したりして、終わったら何事もなかったかのように立ち去るというゲリラ的パフォーマンスのことをそう呼びます。


有名なのはこの辺でしょうか。


スペインの広場で男性がコントラバスを弾いていると、次々に楽器を持った人たちが現れてオーケストラになり、ベートーベンの第9を演奏するという動画です。


こういう演奏の催しは世界各地で広まりましたが、音楽に合わせたダンスのパフォーマンスもあります。これが有名でしょう。

ドゥー・ワップス&フーリガンズ(生産限定スペシャル・プライス盤)

ドゥー・ワップス&フーリガンズ(生産限定スペシャル・プライス盤)

アイザックさんという男性が、交際相手の女性にプロポーズするため、ブルーノ・マーズの“マリー・ユー”を流しながら、友人みんなで踊るというパフォーマンスです。この動画は世界中で反響を呼び、日本でも真似をする人が続出しました。


で、今日の話題はこちら。


昨日の結婚式、フラッシュモブのせいで最悪でした。質問というより愚痴です... - Yahoo!知恵袋 昨日の結婚式、フラッシュモブのせいで最悪でした。質問というより愚痴です... - Yahoo!知恵袋
Yahoo!知恵袋に寄せられた、結婚式を挙げたばかりの女性による、質問というより愚痴(と本人も書いている)です。


その結婚披露宴では、新婦(投稿者)が大嫌いなので絶対にやらないでくれ、と言っていたサプライズ演出のフラッシュモブを、それも彼女の大嫌いなワン・ダイレクションの曲でやられたとのこと。たぶんこんな感じでしょう。

そして、そのショックのため控室に引きこもってしまい、最後の記念撮影もできず、結局そのまま離婚した、という経緯が書かれています。



まぁ、リアリティをうんぬんするのはhagexとかtopishuとかあの辺のトメトメしいクラスタにまかせておくとして、フラッシュモブという文化が日本にそれなりに根付いていること、そしてそれに対する反発も強くあるということがよくわかりました。



んで、この習慣はプロポーズだ結婚式だという軟弱な領域のみならず、社会派の人々にも広まっているようです。


「だれの子どもも、ころさせない」というキャッチフレーズを掲げて活動する「安全保障関連法に反対するママの会」神奈川支部が、フラッシュモブのように踊ることはせず、プラカードを持ってマネキンのように動かずポーズを取るというパフォーマンスをやっているのだそうです。これはこれでいいんじゃないでしょうか。



だけどね。



ネットのごく一部では、「マネキンモブ」といえば、猿渡哲也の漫画に出てくる、アシスタントの人が描いた目に精気のないキャラクターのことを指すんだあっ。


ベテラン作家の漫画には「主人公とそれ以外のキャラを明らかに違う人が描いている」作品が少なくありませんが、猿渡哲也の場合はアシスタントの絵柄も濃すぎるんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ。


20年近くに渡り連載された『タフ』が完結して以降は、さすがの猿先生も人気が出ず打ち切りになる漫画が多かったッス。忌憚のない意見ってやつッス。ですが、昨年末から「週刊プレイボーイ」に舞台を移し、『タフ外伝 龍を継ぐ男』を連載しているんだよ、えーーっ?

鬼龍おじさんの隠し子である龍星が、おとん(龍星から見れば叔父にあたる)の指導を受けて灘神影流を修行する話ッス。前作の主人公だったキー坊は、最強の武道家になっているらしいッスけど指導者としてはまだ未熟で、キー坊の指導を受けた鬼龍おじさんの隠し子(他にもいっぱいいるらしい)は残忍な殺人マシーンになっているッス。もちろん悲しい過去を持っているし、あとヤクザもいっぱい出てきます。そのうちサド看守とかグロ絵も出てくるはずッス。いつかは練り歩きも再現されると思うッス。



「ママの会」の方々も、まさかこんな漫画と用語がカブるとは思ってもいなかったでしょう。ククク酷い言いようだな……まあ事実だからしょうがないけど。