酒羅の如く

最近は「艦これ」(艦隊これくしょん)とかいうゲームが人気です。

戦艦に見立てた美少女を育成して戦わせるものだそうで、ストパンとかガルパンとかの仲間みたいなものと思えばいいんでしょうか。というかストパンガルパンもよう知らんけど。



ツイッターをやっていても、TLにこのゲームの話題がよく流れてきます。とくに「天龍」という子が人気で、「天龍ちゃん」とか呼ばれてるんですよね。

そりゃね、野暮は承知ですけど、言いたくなるってもんですよ。



オレの知ってる天龍と違う!


虹伝説 THE RAINBOW GOBLINS

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というわけで、不足しがちな天龍分を補うためにこの漫画を注文。

天龍源一郎 酒羅の如く

天龍源一郎 酒羅の如く

「BUBUKA」に連載された、天龍の豪快な酒にまつわるエピソードを描いた漫画です。作画は『実験人形ダミー・オスカー』『オークション・ハウス』で小池一夫クラスタにはおなじみの叶精作。ほぼ同じ題材を扱った、原田久仁信の『プロレス地獄変・阿修羅原物語』に比べると、絵のクオリティはさすがに高いですが、叶精作本人の個性が強く出ているので似顔絵としての味わいは今一つ。天龍も阿修羅もイケメンに描かれていますし、グレート・カブキはオフでもメイクのまま。天龍の娘の嶋田紋奈に至っては、まったく似ても似つかない単なる『ダミー・オスカー』ふう美女になっています。

本物はこちら。


叶さんの絵だと、今にも「どうしてエレクチオンしないの〜〜ッ!」とか言いそうですね。



アントニオ猪木はこのとおり。

これ、1980年代の話なんですけど、完全にいまの猪木になってますね。ちょっと悪意を感じるデフォルメぶりであります。


コイツだけは出てこないだろう、と思った北尾光司はこう。



わはははは。これはまた悪意があるなぁ。


漫画の内容はわりと薄いですが、そのかわりに吉田豪による小佐野景浩(元「週刊ゴング」編集長)インタビューが併載されています。高野俊二が天龍に「いつまでもテメエの時代だと思ってんじゃねえぞ!」と絡み、天龍が「これだから新日本出身は嫌だな」と笑っていたとか、天龍同盟解散直前、東スポの柴田惣一に「今日の試合はつまんない」とガチで言われた天龍がキレてテーブルをひっくり返し、巻き添えでずぶ濡れになった小佐野さんが、付き人だった折原昌夫とランドリーに行ってパンツ一丁で服が乾くのを待っていた、などという味わい深すぎるエピソードが読めます。「艦これ」で不足しがちになった天龍分を、これで補充しましょう。崖っぷち? そりゃ未練がある奴の言うことだよ。