Losing My Religion - 男の魂に火をつけろ！　～はてブロ地獄変～

世界の宗教動向について、ロイターがこう報じています。

http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPTYE8BI02P20121219

「無宗教」が世界の第3勢力、日本では人口の半数占める＝調査

［１８日　ロイター］　調査機関ピュー・リサーチ・センターが１８日発表した世界の宗教動向に関する調査で、キリスト教、イスラム教に続き、「無宗教」の人口が３番目に多いことが分かった。

同機関は調査に当たり、２０１０年の各国国勢調査や登録人口などの調査資料約２５００件を分析。その結果、キリスト教徒が世界人口の３１．５％に当たる約２２億人と最も多く、世界のあらゆる地域に広く分布していた。２番目に多かったのはイスラム教の約１６億人で、全人口の２３％だった。

また、確立された宗教を信仰しない「無宗教」の人口は約１１億人で、そのうち６割以上が中国に住んでいることも分かった。日本は人口の半数以上に当たる約７２００万人が無宗教で、中国の次に多かった。ただ、無宗教とされる人たちの多くが何らかの精神的な信仰を持っていることも指摘されている。

また調査は、イスラム教とヒンズー教信者が増加する見通しを示す一方で、ユダヤ教徒はその見込みが最も低いとしている。

日本に40年近く住んできた実感として、日本人の7割が無宗教とはとても思えないんですけどね。

とくに年末年始の一週間は、クリスマスにはキリストの生誕を祝ってケーキを食べ、大晦日の夜にはお寺で除夜の鐘を聞き、日付が変わるやいなや今度は神社へお参りするという３宗教チャンポンの行事が恒例になっていますし。科学の最先端を行く企業でも、社屋を新築するときには地鎮祭を欠かしません。教会で結婚式を挙げる人だって仏滅は避けます。それでもアンケートでは「無宗教」と答える人が多いのでしょうから、複雑なモンです。

文化庁の宗教年鑑によると、2009年12月31日時点での日本の宗教人口は、神道系信者が1億649万8381人、仏教系信者が8967万4535人、キリスト教系信者が212万1956人、その他の諸教（天理教や成長の家はここに含まれる）が901万48人となっています。全部で2億730万4920人。全人口の倍近くなってしまいます。これは日本に特有の「氏子」と「檀家」の制度からくるもので、日本人の大多数は生まれた時点で２つの宗教の信者としてカウントされるわけです。これは実態をまったく反映していない数字といえるでしょう。

無宗教とはどういうことか、分類のしかたによっても結果は大きく異なります。
無宗教 - Wikipedia
ここでは三つの調査結果が挙げられていますが、ギャラップの調査がいちばん広義で「宗教は重要ですか」という問いに「いいえ」と答えた人の割合、電通の調査では「無宗教です」と回答した人の割合、ズッカーマンの調査では「無神論者」や「不可知論者」と回答した人の割合になっています。日本では最少５２％、最大で７３％と差はそれほど大きくないですが、中国は電通調べでは９３％に対してズッカーマン調べでは８〜１４％と、非常に大きなブレが見られます。デンマークでも、ギャラップ調べでは８０％なのに電通調べでは１０％と大きなギャップがあります。

まあ、どちらにしても今回の調査結果は、日本人に関しては、先行する調査の中を取ったような数字になっていますけどね。

そもそも日本人の宗教観には、八百万の神をいただく多神教、あらゆるものに神が宿るアニミズム信仰が根底にあります。神と人間の距離が近い、原始的宗教ともいえます。
菅原道真や崇徳上皇のように、人間でありながら死後に御霊として神に列された人もいますし。