帰ってきた土下座教師

2010年から2011年にかけて「漫画ゴラク」に連載され、漫画界に大旋風を巻き起こした板垣恵介×RINの傑作『どげせん』。私立樫宮高校の国語教師・瀬戸発(はじめ)が様々な難局を土下座で解決に導くという、斬新かつ破天荒な内容に魅了されたファンは多く、このブログでも何度も取り上げてきましたが、作者2人の「土下座観の違い」という空前絶後の理由によりコンビは解消され、連載は打ち切られました。

どげせん 1巻 (ニチブンコミックス)

どげせん 1巻 (ニチブンコミックス)



その後、板垣恵介は単独で「漫画ゴラク」に『謝男』(シャーマン)を不定期連載。こちらも高校教師の拝一穴が、校内のトラブルを土下座で解決に導くのですが、『どげせん』と違って彼の土下座には超自然的な能力があり(全校集会で、生徒全員が「背中を押されたような気がして」礼をするなど)一種、闘いのツールとしての土下座が描かれています。板垣恵介の作家性がよく出ていますが、最近は『範馬刃牙』完結に向けて集中するためか、しばらく掲載されていないのが残念なところです。


いっぽう、RINは「ヤングキング」に移って『どげせんR(リターンズ)』をシリーズ連載。こちらは単行本が出ました。

どげせんR 1 (ヤングキングコミックス)

どげせんR 1 (ヤングキングコミックス)

作画面では、板垣恵介カラーが払拭されたことによって、笠原倫本来のぬめっとした人物描写が目立つようになりました。
土下座の扱いは『どげせん』時代に比べオーソドックスなもので、教え子のための謝罪が主になっています。かつて食堂でメニューにないカレーラーメンを食わせろと全裸で土下座したのがウソのようです。


んで、初登場時には完全に板垣絵だった食堂の店主も、ちゃんと再登場しています。


以前は瀬戸が土下座して作らせていた裏メニューのカレーラーメンも、

ちゃんとメニューに加わっていました!


ヤングキング誌上での『どげせんR』はこの単行本一巻分でひとまず終了して、次回の登場は未定ですが、きっとどこかで瀬戸は復活するに違いない、そう思わせるキャラクターの魅力は健在でありました。