ダブルマリッジ

漫画ファンの間では、オヤジ漫画誌はあまり話題になることがありませんでしたが、ここ最近は誌面のリニューアルが進んでおり、独自の路線を開発しています。


漫画ゴラク』は、古くからのアウトロー路線をさらに洗練させて『白竜LEGEND』というハイパーリアル漫画を生み出したり(東日本大震災の前の週に「原発配管技術は化学プラントより15年は遅れている!」とブチ上げていた)、『どげせん』で日本列島を席巻する土下座ムーヴメントを巻き起こしたり、増刊に掲載される『ブラックエンジェルス ザ・松田』でこれまたアクチュアルな悪党を仕置したり、意欲的な漫画をいくつも生み出して漫画ファンの注目を集めています。

どげせん 2 (ニチブンコミックス)

どげせん 2 (ニチブンコミックス)


これに対し、同じ金曜日に発売されるライバル誌の『週刊漫画TIMES』は、かつては『野獣警察』や『ゴキブリ刑事』『ダボシャツの天』などアウトローもの劇画を多く発表しておりましたが、近年は作風を大幅に刷新して、地に足の着いた人情ものに力を入れており、バイオレンス漫画は一本も載っていません。表紙もかつてはリアルだかなんだか判断しづらいエロ劇画ふう女性イラストでしたが今年の春からは掲載漫画のイラストに変わり、お色気漫画も、従来の劇画からちょっと古めの美少女ものに変わってきています。

彼女で満室 2 (芳文社コミックス)

彼女で満室 2 (芳文社コミックス)

最近完結したのが、真鍋譲治のこの『彼女で満室』。主人公とひょんなきっかけで同居することになった女の子を中心に、色んな女の子がやってきてハーレム状態になるというエロ漫画の常道作品ですが、対象年齢層が高めなので「離婚調停中の本妻までハーレムに乗り込んでくる」という針のムシロ過ぎる展開もあります。


んで来週から、今度は恋愛漫画の名手として知られる二宮ひかるの新連載もはじまります。

ちょっと前だったら信じられないような展開ですが(だってドカタ漫画が看板の雑誌だよ)何が起こるかわからないのがいまのオヤジ漫画雑誌の現状です。「ゴラク」の独走を許さないというやる気はひしひしと感じます。


それにしても「重婚」というテーマ、ヒロインのビジュアル(ゆるふわヘアーで巨乳)、ともに既視感がハンパない気がするんですけど。

ハネムーンサラダ 4 (ジェッツコミックス)

ハネムーンサラダ 4 (ジェッツコミックス)

ヤングアニマル」に1999年から2002年まで連載された『ハネムーンサラダ』は、ひとりの男がふたりの女(ゆるふわ巨乳とロング黒髪ストレート貧乳)と同居するお話でしたが、どうにも似てる印象はまぬがれません。まぁ『ハネムーンサラダ』は名作といって差し支えない作品だったので、今回の『ダブルマリッジ』も期待したいところです。毎週金曜日がまた楽しみになってきたなぁ。