とある日本の禁書目録

きのうのニュースになりますが。


http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20120604-OYT1T01037.htm

小林多喜二幸徳秋水・乱歩…発禁本の企画展

 主に戦前、検閲制度によって発売禁止処分を受けた本を集めた珍しい企画展が、きょう5日から東京都千代田区の明治大中央図書館ギャラリーで開かれる。

 プロレタリア作家の小林多喜二蟹工船」、大逆事件で処刑された幸徳秋水「平民主義」など約250点の発禁本が展示される。

 この「城市郎文庫展――出版検閲と発禁本」は、発禁本の収集家として知られる城市郎さん(90)の旧蔵資料を中心とするもの。城さんは戦後、会社勤めの傍らコレクションを始め、約7000冊の蔵書を昨年、明大に寄贈。うち2000冊が発禁、非合法出版関連の書籍とされる。

 戦前は出版法や新聞紙法に基づく検閲制度が敷かれた。政治的観点だけではなく、風俗を乱す書籍も対象となり、1930年に刊行された江戸川乱歩の小説「蜘蛛男」が約5100字の削除改訂を命じられた。今回の展示では「蜘蛛男」無削除完本版や、03年に華厳の滝で投身自殺した旧制一高生、藤村操を詐称した書き手が記し、数点しか現存が確認されていない偽書「煩悶記」なども公開。出版と表現の自由の問題を考えさせる。7月22日まで。

(2012年6月4日20時55分 読売新聞)

表現を規制しようという動きが高まっている現在、これらの資料はきわめて貴重なものであり、展示することには大きな意義があるといえます。城市郎がまだ健在だったことも嬉しい驚き。およそ古書の蒐集に興味を持つ者なら、城市郎は斯界の第一人者としてリスペクトしなくてはいけない人物です。


7月22日までかぁ……行ってみたいなぁ。城市郎は仙台出身だし、仙台文学館あたりでも展示してくれないもんかしら。


ところで今日はもう一つネタがありまして。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120606-00000007-cnn-int

シリア、人道支援受け入れで国連と合意 外交官は国外追放

(CNN) 国連人道問題調整事務所(OCHA)は5日、シリア政府が国連による人道支援活動の受け入れに合意したと発表した。一方、シリア外務省は同日、欧米11カ国の大使や外交官に対する国外退去処分を発表。1週間前に各国がシリア大使などの国外退去を求めたことに対抗する措置となる。


OCHAのジョン・ギング所長はスイス・ジュネーブで、「長期間にわたる集中協議の結果、人道支援活動の規模、範囲、手順についてシリア政府との間で合意書を交わした」と発表。「これが突破口になるかどうかは現地での行動にかかっている。我々はこれを突破口とするために力を尽くす。シリアの人々のために、人道的対応を大幅に拡大して突破口を開く必要がある」と訴えた。


シリア政府が調印した人道支援活動に関する覚書は、緊急に支援を必要としている約100万人が対象となる。国際支援団体とシリア政府との3度にわたる交渉の中で、合意にこぎ着けたのは今回が初めてだという。


一方、シリア外務省は同日、米国、英国、スイス、トルコなど北米と欧州の11カ国の外交官を「好ましくない人物」に指定し、国外退去処分とした。この中にはロバート・フォード米国大使やサイモン・コリス英国大使が含まれるほか、トルコやカナダは大使および大使館の全職員が対象となる。
シリア外務省はこの処分に関して「平等と相互尊重の原則に基づく対話の重要性」を強調し、「関係を正常な状態に戻せるよう、(相手国が)こうした原則に従うことを望む」とした。


フォード大使は米政府が2月にシリア大使館を閉鎖したことを受けて米国に帰国中だが、職務は今後も続行する方針。米国務省のトナー副報道官は「同大使は、シリア国民が戦いを通じて求めている平和的な政権移行を後押しする取り組みを続ける」と強調した。


反体制派によると、シリア各地ではこの日も衝突が続いている。多くの子どもを含む100人以上の住民が虐殺される事件が起きた中部の町ホウラでは、反体制派がインターネット電話のスカイプを通じ、「政府軍がもう10日以上の間、基本的食糧物資がホウラに入るのを食い止めている」と窮状を訴えた。小麦粉やガソリン、医薬品といった物資の供給が止められているほか、発電所が砲撃されて電力供給もストップしたままだという。


北西部のラタキア県では反体制派と政府軍の衝突で12人が死亡したという。民兵組織「シャビハ」が同地に入り、大量虐殺が起きる恐れがあるとして、反体制派が国連監視団に助けを求めている。国連や米当局によると、シャビハはシリア政府の意向を受けてホウラの虐殺に関与したとされる。


シリアの春はいまだ遠く、国際社会からの孤立も深刻になってきています。人道支援活動がどれほど市民に届くのか、現政権の態度を見ていると疑問に思わざるを得ません。


で、シリアが”断交”したのは何も欧米だけではなくて。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120606-OYT1T01021.htm

日本大使に初の「好ましからざる人物」…シリア

玄葉外相は6日の記者会見で、シリア政府が5日、日本政府に対し、鈴木敏郎駐シリア日本大使を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」と通告し、受け入れを拒否したと発表した。


 鈴木大使は3月からヨルダンに退避して業務にあたっている。日本政府が5月30日、シリアでの市民殺害に抗議し、アルハバシュ駐日シリア大使に国外退去を求めたことへの対抗措置とみられる。

 外務省によると、日本人外交官がペルソナ・ノン・グラータに認定されたのは初めてという。

 日本政府は5日、アルハバシュ大使をペルソナ・ノン・グラータと認定した。日本政府による認定は戦後3例目。大使は同日、出国した。

(2012年6月6日22時22分 読売新聞)

日本も対象になっています。


それにしても、この”ペルソナ・ノン・グラータ”という響きからあふれる中二病エッセンスときたら!


日本語に直せば”好ましからざる人物”、もっと意訳すれば”出入り禁止”にすぎない言葉なんですけど、だいたい”ペルソナ””ノン””グラータ”どれひとつとっても中二臭いのに、三つ揃えたらもうどうにもなんないよ。『まどか☆マギカ』の”ティロ・フィナーレ”なんてメじゃないね。若本規夫の声で読んでもらいたいね。なんでラテン語ってこんなに中二心をくすぐるのだろう。

ペルソナ2 罰 - PSP

ペルソナ2 罰 - PSP

ATLUSの『ペルソナ』シリーズは2までしかやってないんですが、『女神異聞録ペルソナ』『ペルソナ2罪』『ペルソナ2罰』オリジナル発売当時は、もうアホみたいにやり込んだものです。「せつなさみだれうち」だってバッツンバッツンやりましたとも。もちろん「切なさ乱れ撃ち」と思ってましたともええ。とくに『2』は、『罪』と『罰』をそれぞれ2周クリアしないとたどりつけないエクストラダンジョンがあって、総プレイ時間は優に200時間を超えましたからね。もう脳みそがトロけるぐらいプレイしました。きっと鈴木大使もそうとう強いペルソナを召喚できるに違いない、と思える程度にはぼくの脳みそもまだ柔らかさを保っているようです。