おめえに食わせるタンメンは……?

次長課長河本準一が、母親の生活保護受給に関して叩かれていますね。


http://getnews.jp/archives/219246


まとめると、

  • 河本の無名時代、母親が病気で働けなくなって生活保護を申請
  • 河本が売れてからも、いくらかの(金額は明言せず)仕送りはしていたものの、生活保護を受給
  • ネットで話題になり、自民党片山さつき世耕弘成が国会で問題視
  • それを受けて謝罪会見、返納を申し出る

といったところです。議員にしてみれば、生活保護受給者いじめは鉄板ネタですから食いつくのも無理はありませんが、それにしたって国会が一個人、それも政治家でも官僚でもない芸能人のプライバシーを云々するのは絶対におかしいと思いませんか。


取材してる記者も、「自分の母親が生活保護を受けていることについてどんな気持ちですか?」なんて言ってますが、「他人の懐具合を興味本位で詮索して生活していることについてどんな気持ちですか?」と聞いてみたいところです。こんなもんが報道の名に値するはずがありません。


芸能人なんて、いっとき売れても来月はどうなるかわからない商売です。河本の年収は5000万円、なんていわれてますがそれも本当かどうかわかったもんじゃないし、来年も同じように稼げるとは限りません。ちょっと売れたから一生おかんを養え、なんていえるほどお笑い芸人は甘い商売ではありません。ましてや河本はつい最近まで膵炎で死にかけてた病人じゃないですか。


芸能マスコミはよく誰と誰がくっついたの離れたの、という話題で盛り上がります。つい数日前まではハリケンレッドこと塩谷瞬の二股で盛り上がっていたし、今度はくりぃむしちゅー有田哲平とローラがお泊りデート、なんて話も出てきました。こんなのも話題にするまでもない、どうでもいいことですが、まだ罪のない部類です。でも、親族の経済状況まで公然と話題にするのは絶対に間違っています。一線を越えてしまっている、と言わざるを得ないです。


国会では、この話題をとっかかりにして生活保護の不正受給防止(という名の申請者門前払い作戦)と水準引き下げにつなげたいらしいですが、そもそも生活保護受給要件を満たしている世帯の3割しか受給していない、セーフティネットが機能していない状況でさらに厳しくしようというのだから、社会保障がいかに軽視されているかわかるというものです。


生活保護以下の水準で生活している人が多くいるのは、いかに劣悪な労働条件で働いている人が多いか、労働基準法がいかに軽視され、かつ現状に合っていないかの証左なのですが、それに対して生活保護の水準を下げ、窓口に警察官OB(恫喝のスペシャリスト集団)を配置するなどの水際作戦で目先の出金を減らそうとしてるんですからねぇ。しかもこれは自民党民主党も同じ考えのようで、どう転んでも貧困の拡大は避けられないのだから頭が痛くなります。