ほんとにあった怖い話

長崎ストーカー殺人事件の裁判で、被告に死刑判決が出ました。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130614-00000053-mai-soci

<長崎ストーカー殺人>筒井被告に死刑判決 裁判員裁判

長崎県西海(さいかい)市で2011年12月、ストーカー被害を訴えていた女性(24)の母と祖母を殺害したなどとして、殺人など五つの罪に問われた三重県桑名市、無職、筒井郷太被告(28)の裁判員裁判で、長崎地裁は14日、求刑通りに死刑を言い渡した。

【長崎ストーカー殺人 検察側は死刑求刑】筒井被告、無罪を主張  地裁論告求刑公判

 重富朗裁判長は「何の落ち度もない2人の命が理不尽に奪われ、被告の刑事責任は誠に重大。いかなる見地からも死刑を科すほかない」と述べた。筒井被告側は「事実誤認がある」として即日控訴した。

 筒井被告は公判で起訴内容を全面否認して無罪を主張したが、判決は「公判での供述は多くの証拠と矛盾し信用性がない」と被告の主張を全面的に退けた。そのうえで「動機は女性に対する支配欲を満たすためで、理不尽で悪質。良心の呵責(かしゃく)や改悛(かいしゅん)の情は全く見いだせない。更生改善の兆しは認められない」と被告を厳しく指弾した。

 裁判は「女性を奪い返すのに邪魔な家族は全員殺すつもりで向かった」などと供述した捜査段階の自白調書の任意性、信用性が最大の争点だった。

 判決は自白調書について「捜査段階を通じ違法不当な取り調べがなされた事実はない」と任意性を認定。更に「客観的事実や他の証拠とも符合し、詳細かつ迫真性があり、一貫性も認められる」と信用性も認めた。

 更に、任意同行時に筒井被告が所持していた包丁や被告のコートに被害者のDNA型と一致する血痕が付着していたなどの物証や関係者の証言から、五つの罪全てについて「犯人であると認められる」と判断した。

 刑事責任能力についても「非社会性パーソナリティー障害」と認める一方、「善悪の判別能力や行動制御能力に影響を及ぼすとは考えられない」と認めた。

 判決によると、筒井被告は、千葉県習志野市のマンションで同居していた女性がその家族によって西海市の実家に連れ戻されたと考え、家族を皆殺しにしてでも連れ戻そうと計画。11年12月16日、西海市で、女性の祖母、山下久江さん(当時77歳)と母美都子さん(当時56歳)宅に侵入し、包丁で刺殺したうえ、財布を盗むなどした。また、女性を殴るなどしてけがを負わせ、女性の姉弟や知人など8人に「お前は必ず殺す」などと書いたメールを送りつけた。

 この事件では女性や家族がストーカーや暴行の被害を再三相談していた。千葉、長崎、三重3県警は、連携や危機意識の不足があったとして遺族に謝罪し、検証結果を公表。警察庁はストーカー事件への対応を改めた。

 最高裁によると、裁判員裁判での死刑判決は19件目。【梅田啓祐、小畑英介】

この事件では、被害者が警察にストーカーの被害届を出したものの、慰安旅行のため受理を拒否したというトンデモ対応が話題になりました。

桶川ストーカー殺人事件―遺言―

桶川ストーカー殺人事件―遺言―

1999年の桶川ストーカー殺人事件、栃木リンチ殺人事件、2002年の神戸大学院生リンチ殺人事件、2005年の姫路2女性バラバラ殺人事件、2011年に発覚した尼崎事件、2012年の逗子ストーカー殺人事件など、警察が被害者の訴えを黙殺したり、加害者に協力したりして事件を発展させた事例は少なくありません。この長崎の事件もそのひとつといえますが、日本の警察・司法機構は中世の倫理で動いているせいか、被害者がいくら出てもいっこうに変わることはないようです。


大阪では、こんな事例がありました。


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130614-00000520-san-soci

虐待疑われる子供連れて交番へ 警官が母親の前で個人情報を聴き取り

 児童虐待が疑われる子供を一時的に保護し、警察に通報した女性(28)とその子の母親を、大阪府警東淀川署が交番内で同席させたうえ、その場で女性の住所や連絡先などを聴き取っていたことが分かった。女性は産経新聞の取材に「相手の母親に個人情報を知られ、非常に心配。なぜ別々に調べてくれなかったのか」と警察の対応に強い不信感を抱いている。同署は「署員の判断で同席させたが、配慮を欠いていた」として女性に謝罪した。

 女性が子供を保護したのは、4月18日午後4時半ごろ。大阪市東淀川区内の公園で自分の子供を遊ばせていた際、見知らぬ女児(3)が「おなかすいた」「のど渇いた」と大声で泣いているのに気づいた。

 季節外れの汚れたセーターを着て、腕やすねにはあざもあり、汗のにおいも鼻をついた。保護者は見当たらず、女性は虐待や育児放棄を疑い、児童虐待ホットラインに通報。応対した市こども相談センター(児童相談所)の担当者から「職員派遣に時間がかかるので、いったん近くにある東淀川署の交番に向かってほしい」と指示された。

 女性は女児を連れて交番に行ったが、警察官は不在。本署に通報して警察官の戻りを待っていたところ、女児を捜していた母親がたまたま通りかかり、「そこで何してんの?」と交番に入ってきたという。

 その直後に署員2人が交番に到着。母親がその場にいることを知りながら、女児を保護した経緯を女性から聴き取り、住所、氏名、職業、連絡先を尋ねた。女性は母親の存在を気にして即答をためらい、うつむいて黙り込んだが、署員から「早く答えて」と促され、答えさせられたという。

 同署によると、署員らは女性を帰宅させてから、遅れてやってきた児相職員とともに女児の身体を確認。目立った外傷はないとして、身体的虐待の可能性は低いと判断する一方、「育児放棄の疑いは否定できない」と児相に書類通告し、以後の対応を引き継いだ。

 同署は一連の経緯について、同日午後4時過ぎに母親から「自宅で寝ていたら子供がいなくなった」と署に届け出があり、署員らと付近を捜索していたと説明。そこに女性からの通報が舞い込んだため「母親から女性に保護のお礼を言ってもらおうと考え、同席させた」としている。

 署員らは虐待の疑いがあるという通報内容も認識していたが、「女児は母親になついており、可能性は低いとみていた」とし、「結果的に通報者の不安をあおる形になり、非常に申し訳ない」と釈明した。

警察は日常業務として犯罪に関わっているので、明らかに危険な事例でも正常性バイアスがはたらいて「こんなの大したことない」と思うようになるんですかね。

そして、住所と名前を知られてしまった女性は、こんな恐怖体験をしたとのこと。

 一方、女性は取材に「警察官に高圧的な態度で個人情報を聴かれ、答えるしかなかった。私が悪いことをした気分になった」と不快感をにじませた。

 女児を交番に連れて行った日の夜、知らない小学生くらいの子供が突然自宅に来て「女の子をどうしたんですか。誘拐ですよ」とまくし立てられたといい、「個人情報が漏れているかもしれず、本当に不安だ」と話した。

なにそれこわい。

平山夢明先生の実話怪談みたいですよね。母親が怒鳴り込んでくるとか、ヤクザが嫌がらせにくるとかはまだ理解できますけど、これは意表を突かれました。世の中にいろいろ不気味なことはあるけど、「知らない子どもがいきなり家に来る」ってのもそうとうですよ。警察の対応を批判する報道のはずだったのに、ラストでなぜか怪奇の世界へ突入してしまうのでありました。さすが大阪市はパねえな。