「有識者」(笑)「両論併記」(笑)

名古屋からこんなニュースが届きました。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120512/edc12051201300000-n1.htm

南京事件」意見広告で対立 有識者「自由な議論を」、中日新聞「社論に合わず」

 名古屋市河村たかし市長の「南京事件」否定発言に対するバッシングに疑問を持った有識者らが、東海地区で最大の発行部数を誇る中日新聞名古屋市)に、南京事件について自由な議論を呼びかける意見広告を掲載しようとしたところ、「社論に合わない」と拒否されていたことが11日、分かった。一旦、掲載の了解を受けた有識者側は、複数の雑誌に広告代金の寄付を募る広告を掲載しており、「金銭的処理や社会的信用など大きな損害を受ける」として法的措置に訴える構えだ。

 意見広告を掲載しようとしたのは、有識者でつくる団体「河村発言を支持し『南京』の真実を究明する国民運動」(代表・渡部昇一上智大名誉教授)。

 意見広告は「私たちは河村たかし名古屋市長の『南京』発言を支持します!」「自由な議論で『南京』の真実究明を!」との見出しの下、南京事件についてさまざまな見解があることを踏まえた上で、議論が広がることを期待するという内容。呼びかけ人には石原慎太郎東京都知事安倍晋三元首相らが名を連ね、超党派の国会議員58人の氏名を掲載する予定だった。

 同団体は今年3月、広告代理店を通じて中日新聞側に掲載を打診。4月10日に見本刷りを送り、同19日にメールで「掲載の了解」を得た。その後、代金や掲載日などの交渉が行われ、広告の最終送付が約1週間後に迫った5月2日、突然、中日新聞側から「掲載できない」と通告されたという。

 同団体によると、掲載拒否の理由について「『河村発言は不適切』という社論を展開している以上、たとえ広告といえども、発言を支持する内容のものを掲載することはできない」と説明された。

 同団体副代表で拓殖大学藤岡信勝客員教授は「中日新聞の社論とは南京事件の議論自体を否定することなのか」と話している。


 中日新聞東京本社の吉川克也広告局次長の話  「先方が法的手続きを進めていると聞いているので現段階ではお答えできない」

いったん掲載を了解しておきながら、後から拒否したというのは不誠実と言わざるを得ないですが、このテの人たちがいう「自由な議論」てのは何なんだろう。すでに否定された妄想を何度も何度も持ち出して、相手が疲れて相手にしなくなったら勝ちだとでも思ってるんですかね? そもそも河村市長はだいぶ発言を後退させましたから、今さら支持したってこの「有識者」(笑)の思うようにはならんですよ?


いっぽう、大阪からはこんなニュースも。
http://www.asahi.com/national/update/0511/OSK201205100200.html

橋下市長ら近現代史学ぶ施設検討 つくる会系からも助言

 橋下徹大阪市長松井一郎大阪府知事は、子どもたちが近現代史を学ぶ施設を大阪府市で設置する検討に入った。橋下氏は10日、代表を務める大阪維新の会大阪市議らに対し、「新しい歴史教科書をつくる会」や元会員らによる教科書づくりに携わった有識者らに意見を聴く考えも示した。

 橋下氏は9日、維新の会と公明の両市議団幹部と非公開で協議。出席者によると、橋下氏は「中国などに比べ、日本の子どもは近現代史がしっかり勉強できていない」と主張。その上で、歴史観や事実認定で意見が分かれる近現代史について「子どもらが両論を学べる施設」をつくる考えを明らかにしたという。

 10日には複数の維新市議団幹部と再度協議し、展示内容などについて、扶桑社版や育鵬社版の歴史教科書編集に関わった有識者から助言を受けることで一致。近く、同市議団幹部が有識者に協力を依頼するという。

人権博物館は潰して「両論併記」(笑)の近現代史を学ぶ場を作ろうというのだから、実にわかりやすい話です。大阪の人たちはいつになったら目が覚めるのかなぁ。
意見が分かれる、といったって一方が明らかに間違った意見を言い続けているだけなのに。それを「両論併記」にしてしまったら、間違いに加担することでしかないのに。


そろそろ、歴史修正主義がいかにまずいものか、本気で考えないといけないんじゃないですかね。日本の主要都市の首長が全員歴史修正主義者だ、なんて外交的にも相当ヤバい事態でしょう。それこそどれだけ国益を損なうかわかったもんじゃありません。


まぁこの人たちはそれほど深く考えず、歴史修正主義的な発言をすれば支持が取り付けられるから言ってるだけなんでしょうけどね。ウヨク市場をカジュアルに拡大してきた人々の罪は重いと思うなぁ。