栄光の足跡

昨夜、島田紳助暴力団関係者との親密交際のため芸能界を引退する、との記者会見がありました。


この会見では、紳助は「本来なら引退するまでのことではないが、後輩へ示しをつけるために引退する」という意味のことを繰り返し発言しており、芸能活動以外の事業のためか、なんとかイメージダウンを最小限にとどめようという意図が強く感じられましたが、交際していた人物のことを「Aさん」「Bさん」と連呼しており、往年のザ・ぼんちを彷彿とさせるものがありました。


こっちは「A地点」「B地点」ですけどね。


「Aさん」というのは仲介者で、「Bさん」というのが問題の暴力団関係者。十数年前にテレビでの発言がきっかけでトラブルになり、それを解決してもらったのが縁だそうな。で、続報によれば、「Bさん」は山口組系極心連合会の幹部であり、「Aさん」は元ボクシング世界スーパーフライ級統一王者の渡辺二郎だとのこと。


渡辺二郎といえば、現役時代には日本拳法の直突きを取り入れた左ストレートと右ショートフックを武器にKOの山を築き、またその合理的な言動から日本ボクシング史上もっともクレバーなボクサーと言われた人物です。しかし引退後の生活はクレバーとはいかず暴力の世界に身を投じ、恐喝や銃の密売で服役した経験もあり、羽賀研二の詐欺恐喝未遂事件にも関係して被告となっています。今回の島田紳助引退も、この事件の捜査でメールが見つかったことが原因となっており、メール一発で人気司会者をKOに追い込むあたりはさすがに往年の強打健在といったところでしょうか。


↑世界戦11連勝後に流されたダイジェスト。今は、JBC渡辺二郎を無期限ライセンス停止処分としており、歴代世界王者にも列しない方針となっています。今となってはその「栄光」もすべてがむなしい。とはいうものの、そのJBCもいろいろと問題が浮上しているし、ボクシングというものはつくづく業が深いといいますか。とにかく、島田紳助はどうでもいいですが、元世界チャンプのこの凋落ぶりは悲しみを誘いますね。そういえば、現役の三階級制覇王者を名乗っているなんとかいう人も来週にはどっかでなんか(まさか「試合」ではないと思うが)やるそうですが、あちらも暴力団と深い関係にあることは周知の事実なのに、放置しておいていいんですかね。