Boxing Day

12月23日は天皇誕生日、24日はクリスマスイブ、25日はクリスマス、とイベント目白押しのここ数日。


陛下のお誕生日を祝ってケーキを食べ、イブには豪華にブッシュ・ド・ノエルを食べ、25日には半額になったケーキを食べ、といった具合で血糖値や中性脂肪がうなぎ上りになるところですが、12月26日はもうふつうの日で、ケーキを食べる口実もなくなります。


しかし、欧米の一部(主にイギリス文化圏)では、26日はボクシング・デーという祭日になっています。

ボクシング・デイ (講談社文庫)

ボクシング・デイ (講談社文庫)

ここでいう「ボクシング」は「箱を開ける」という意味で、主人から労働者へ一日遅れのプレゼントをあげる日とされています。クリスマスにも仕事をしなければいけなかった使用人たちをねぎらうための日で、この日は主人一家も使用人に頼らず家事をやらなければいけない、というしきたりです。ワタミあたりが知ったら発狂しそうですね。もっとも、今はバーゲンセールの日として定着しているようですが。
もともとは、教会が貧しい人のために寄付を募ったプレゼントの箱を開け、配給する日であり、さらにその起源をさかのぼると、新約聖書においてキリスト教徒初の殉教者とされる聖ステファノを記念する日で、アイルランドではスティーヴンズ・デイと呼ばれています。
小型新約聖書 詩編つき - 新共同訳

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日本の一般家庭で、クリスマスを祝う習慣が定着したのは昭和30年代以降のことであり、今では日本人にとっても年間を通じて有数の、大きな行事となっています。
同じように欧米から輸入されたハロウィンは、なかなか定着しませんでしたがここ10年ぐらいでだいぶ浸透してきました。とはいえ、今のところは大都市の若者層に限られているのが現状ではありますが。


ジョン・カーペンターの『ハロウィン』以来、年中行事を扱ったホラー映画はたくさん作られました。代表的なのが『13日の金曜日』ですが、他にも、クリスマスに殺し屋サンタがやってくる映画は何本もありますし、『血のバレンタイン』や『プロムナイト』『エイプリル・フール』もよく知られています。近年では、タランティーノらの呼びかけで作られた『グラインドハウス』劇中のフェイク予告編、イーライ・ロスの『サンクスギビング』が記憶に新しいところです。

感謝祭も日本にはなかなか根付きませんが、ボクシング・デーも根付かなさでは同等と言っていいでしょう。


やっぱり「ボクシング」って単語が、どうしてもスポーツのほうを連想させますからね。


日本で「ボクシングの日」といった場合は5月19日を指します。これは、日本プロボクシング協会の会長である大橋秀行が、2010年に、世界王座経験者による団体「プロボクシング・世界チャンピオン会」(野球でいう名球会のようなもの)の発足とともに制定したものです。

ザ・チャンピオン (この道シリーズ)

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1952年の5月19日、白井義男が日本人初の世界チャンピオンになったのを記念して、この日が選ばれました。2010年の第1回から、この日には後楽園ホールでファン感謝イベントが開催され、エキシビジョンマッチやチャリティーオークション、袴田巌死刑囚の支援活動報告などが行われます。
裁かれるのは我なり―袴田事件主任裁判官三十九年目の真実

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ちなみに、この世界チャンピオン会ガッツ石松具志堅用高といったテレビでおなじみの人たちも在籍していますが、渡辺二郎だけは参加を許されていないのでありました。
島田紳助100の言葉 (ヨシモトブックス)

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