最後のドラマ
元WBO世界ヘビー級王者のトミー・モリソンが、亡くなったとのこと。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201309/2013090300024&g=spo
映画ファンには、『ロッキー5/最後のドラマ』に出演していた印象が強い人物だと思います。
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2012/10/12
- メディア: DVD
- この商品を含むブログ (4件) を見る
そこに出現した強豪モリソンは、ホワイト・ホープとして白人ファンからおおいに期待され、映画の中と同じように猛烈なプッシュを受けました。というかそもそもこの映画自体がモリソンを売り出すための企画の一環だった、と言っても過言ではないでしょう。
映画では、ドン・キング似の悪徳プロモーターに引き抜かれ、恩人のロッキーを裏切るというダーティな役柄ながら世界チャンピオンになりましたが、現実にも、この3年後にジョージ・フォアマンを破り、WBO世界ヘビー級王座を獲得します。久方ぶりでの白人の戴冠に、人種主義者は狂喜しましたが2回目の防衛戦で黒人のマイケル・ベントに番狂わせのKO負けを喫し、王座陥落。返り咲きを狙いますが、試合前の検査でHIV感染が発覚し、ライセンスを取り消されてしまいます。
その後は、映画の役柄そのままに荒れた人生を送り、何度も逮捕されてはファンを嘆かせました。引退後のボクサーにはまま見られることですが、実力の衰えとは別な要因による不本意な引退をした人物だけに、その陰影の濃さは特別なものがありました。
現在のヘビー級ボクシング戦線は、ウクライナ出身のクリチコ兄弟が絶対王者として君臨しており、他にも旧ソ連出身の白人ボクサーがトップどころを占めています。
『ロッキー5』に登場したモリソンは亡くなりましたが、現実のボクシング界は『ロッキー4/炎の友情』に近付いている、といってもいいかもしれませんね。
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2010/12/03
- メディア: Blu-ray
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (12件) を見る