Fallen
ジャーナリストの森達也公式サイトに、ノルウェー人の若い女性が今回のテロを受けて書いた手記が載っています。
http://moriweb.web.fc2.com/mori_t/index.html
ノルウェーには死刑がない。人間は苦しみを与えられてはならず、その命が他の目的に利用され る存在であってはならないと考えるからです。今も死刑を行っている国は、(幼い子供たちも含めて)すべての 国民に、「殺人で問題は解決する」というメッセージを与え続けていることになります。これは間違っています。 犯罪者の命を奪っても犯罪は撲滅できません。残された憎しみと悲しみが増えるばかりです。
ノルウェーに死刑がないことを、私はノルウェー人として誇りに思っています。
事件後にストルテンベルグ首相が、ノルウェー在住のイスラム系の人々と共にモスクで「多様性は花開く」と語ったとき、 そしてこの民主主義の核心への攻撃がかえって民主主義を強くするのだと語ったとき(http://www.vg.no/#!id=42543, 2011年7月31日)、 私は本当に誇らしく思いました。これこそがノルウェーだ、これは忘れてはならないこと、そして変えてはいけないこと、そう思ったのです。
首相の姿勢は、大多数、いえ、ほとんどのノルウェー人の思いの反映です。ノルウェー国民は今、なによりも共に手をとり、 互いの肩にすがって泣き、こんな攻撃に連帯を弱めさせまいとしているのです。被害者の母親の一人は、事件後にインタビューで、 「「一人の人間がこれだけ憎しみを見せることができたのです。一人の人間がそれほど愛を見せることもできるはずです」と 語っています。私の友人たちも知り合いも、みな同じ態度で臨むと言っています。
この事件によって、ノルウェー社会を変えてはいけないのです。犯人が望んだのは、まさに私たちの社会を変えることなのだから。 彼の望みを叶えさせてはいけない。これが重要なのです。だから死刑復活などあってはならない。これはノルウェー人の一般的な見解です。
今日のノルウェーで、レイシズムはほとんど問題になっていません。私自身、もう何年も、レイシズムによる暴力行為や 偏見差別について誰かが口にするのを、聞いたことがないくらいです。私の通っていた学校でも、多くの民族の子供たちがいながら、 まったく問題はありませんでした。この点も私がノルウェーを誇りに思うところです。 だからこそ、今の政策を変えるべきではないと思うのです。
ノルウェーはとても小さな国です。今回のテロ事件の衝撃や影響はが、とても大きいことは確かです。 でもノルウェーは変わりません。こんなときこそ支えあい、テロに対抗するために連帯を強め、 民主主義を確固なものにしていかなくてはなりません。システムは効果的に動いていて、 ほとんどの人々がその恩恵を受けています。これを変えるなど、あってはならないことなのです。
2011. 08.04. 大阪にて ノルウェーの19歳、S.M.
これが本当にノルウェー人の平均的意見なのかどうか、ぼくにはわかりませんが、さすがに成熟した民主主義の国を思わせる発想ですね。日本だったら「非寛容に寛容な社会を」とか「差別主義者を差別するな」とかいう手垢のついた屁理屈をほざくバカが後を絶ちませんし、ぼくなんかは、犯人がブラック・メタルのファンだったらヤだなぁとか思ってたぐらいですからねえ。
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ヴァイカーネスは獄中でナチズムに傾倒し、黒人音楽にルーツを持つロック・ミュージックを忌避してブラックメタル・アンビエントという新ジャンルを作るまでになりましたから、今回のテロ犯人が獄中でそのレイシズムを矯正されるかどうかは疑問ですけどね。
いっぽう、ブライヴィーク容疑者が「多文化主義を否定する理想的な国」として挙げていた日本と韓国を巡っては、こんな騒ぎも起きています。
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1657610.html
日本と韓国なんてほとんど似たような国どうしなのにこの体たらくでは、なにか事件が起こるたびに「死刑を」「いや死刑以上の酷刑を」と騒ぐ風潮もとうぶん変わりそうにないですね。ヴァーグも出所したら日本に来ればいいのに。ナチスドイツとは同盟国だったんだから。
↑シャバにいたころのヴァーグ。武器もカッコイイし、松戸のこの萌えキャラに通じるものもありますね!
ひったくり全国1位返上へ 「魔法少女」がパトロール :日本経済新聞
最近の魔法少女は魔法のステッキを武器として使ってばかりで、本来の魔女っ子とはぜんぜん変わってしまいましたね!