Do it! Do it!

昨日のエントリでも触れた、お台場「韓流反対」デモですが、想像以上にスゴい人もいたようで。


http://www31.atpages.jp/ujitv/plate/
デモ隊が掲げたというプラカードのまとめ。これで「メディアの偏向報道を正しに来た」とか言われたってちゃんちゃらおかしいとしか言えませんねぇ。

  • サブリミナルやめろ その1

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  • サブリミナルやめろ その2

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  • サブリミナルやめろ その3

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今日び「サブリミナル」なんて言葉もなかなか聞かれませんよ。
一個目は単なるアイドルポスターのこじつけにしか見えないし、二個目は万国旗の中のひとつでしかないし、三個目に至っては単に意匠がちょっぴり大極旗に似ているってだけ。これを見せられた視聴者は韓国好きに洗脳される、だなんて本気で信じているわけじゃないでしょうねえまさか。

メディア・セックス (集英社文庫)

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だんだん言ってることが電波系じみてきましたが、デモを取材した人によれば、こんなことを信じている若者もいるとか。
フジテレビ抗議デモに取材に行った方のtweetまとめ - Togetter

懐かしいなぁ、オジー・オズボーンの”自殺志願”とかジューダス・プリーストの”ベター・バイ・ユー、ベター・ザン・ミー”の騒動を思い出すなぁ。
ダークサイド・オブ・ロック

ダークサイド・オブ・ロック

1980年代にアメリカで流行したヘヴィ・メタルは、その邪悪なイメージ戦略ゆえにバッシングにさらされました。中でも荒唐無稽だったのが、オジー・オズボーンの名盤『ブリザード・オブ・オズ』に収録されている”自殺志願”という曲や、ジューダス・プリーストのこれまた名盤『ステンド・クラス』に収録されているスプーキー・トゥースのカヴァー曲”ベター・バイ・ユー、ベター・ザン・ミー”を聞いたリスナーが自殺したというもの。


(↑夭折した天才ギタリスト、ランディ・ローズのプレイが存分に味わえる名盤中の名盤)


ステンド・クラス

ステンド・クラス

(↑従来のハード・ロックより一段上のスピード感を取り入れ、ヘヴィ・メタル時代の到来を告げたこれまた名盤)


ジーの場合は、曲のテーマが自殺を扱ったものですからまだわかりますが、プリーストの場合は自殺にまったく関係ない内容です。しかし、この曲をドラッグをやりながら数時間にわたってリピート再生していた少年が「Do it! Do it!」と叫びながらショットガンで自殺するという事件が発生し、少年の遺族が「曲を逆回転で再生すると『Do it! Do it!』というメッセージが聞こえる」として、曲に自殺を誘発するメッセージが込められていたとバンドを訴える事態になりました。

  • 逆回転バージョン


どこにそんなメッセージが込められているのかわかりませんし、そもそも逆回転でどう聞こえようと意味がないし、「Do it!」と聞こえたとしてもそれがなぜショットガンで自分の頭を吹っ飛ばすことになるのか、その理屈のつながりもおかしいですね。もちろんこの訴訟はバンド側の全面勝訴に終わりました。


ネトウヨさんにとってのKARAや少女時代は、アメリカの「良識ある人々」にとってのオジーやジューダスにあたるほどの存在なんでしょうか。少なくとも、オレにとってはまだKARAよりオジーの方がビッグかつ魅力的だなぁ。