バターの危機

東日本大震災が、こんなところにまで影響を及ぼしているようで。


http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110808-OYT1T00814.htm

バター2000トン緊急輸入決定…供給不足懸念

 農林水産省は8日、業務用冷凍バターを緊急輸入する方針を決め、業者向けの入札説明会を開いた。


 クリスマスなど年末の需要が増える時期にかけて供給量が不足する可能性があるため、2000トンを追加輸入する。バターの緊急輸入は2008年以来、3年ぶりだ。


 福島第一原子力発電所の事故の影響で、福島県などを中心に畜産農家は原乳4万トンを廃棄処分にした。また、6月下旬の暑さで、国内の原乳の生産量が落ちている。このため、国産品のバターが品薄となっている。価格も猛暑だった昨夏以降、上昇し、東日本大震災の発生後も高止まりが続いている。11年の当初の輸入予定量は1万1700トンだった。


(2011年8月8日17時24分 読売新聞)

三、四年前にもバターが品薄になったことがありましたが、あのときはたしか農水省の場当たり的な対応が原因だった、と荒川弘が漫画で描いていたのを記憶しています。

百姓貴族 (1) (ウィングス・コミックス)

百姓貴族 (1) (ウィングス・コミックス)

バターが手に入らなくなると、ぼくのようにお菓子作りを趣味とする人間は本当に困ります。お仕事にしている人はいうまでもありません。マーガリンで代用してもいいけど、やっぱり香りとコクが違うんだよなぁ。


……そうだ! オリーブオイルで代用すればいいんだ!


ほとんどのスイーツは、焼きたてより冷ました方がおいしくなりますが、それはバターが冷えて味と舌触りが落ち着くからです。常温で液体のオリーブオイルを使えば、焼きたてでも香り高くておいしいケーキができます。ただ、オリーブの香りが強く出るので、バニラオイルやオレンジリキュールを加えると味がぶつかり合うんだよなぁ。頭の痛いところです。むしろ砂糖の代わりにハムやチーズの入ったケークサレにした方が、オリーブオイルの香りが生きますね。

ケーク・サレの本 (マイライフシリーズ 743 特集版)

ケーク・サレの本 (マイライフシリーズ 743 特集版)


どうしてもバターが使いたいのに手に入らない場合は、生クリーム(無添加の純生クリーム)をフードプロセッサーで泡立て、ひたすら泡立て、限界を超えて泡立てると乳脂肪と水分が分離します。これで手作りバターができます。すばらしい香りと柔らかな舌触りで、パンにつけても料理に使っても最高の味ですが、いかんせん量が少ない。200ccの生クリーム(400円ぐらいする)から、せいぜい70〜80gしか取れないので、ケーキに使うには割高すぎるのが難点です。ぜいたくを味わいたい方は、いちどお試しあれ。