鮮度の一滴

日々の生活を送るうえで、「これだけは譲れない」というこだわりは大なり小なり誰にでもあるでしょう。たとえばぼくの場合、剃髪しているので、カミソリの使い心地にはふつうの男性より強いこだわりを持っています。いろいろ試しましたが、どうやらぼくの頭皮にはSchickのクアトロ(四枚刃)がいちばん合っているようです。

シック クアトロ4チタニウム レボリューション ホルダー

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剃るときに頭につけるのは、各メーカーから出ているジェルでも、泡状のムースでも、せっけんでも、どれでもかまいません。ただ、カミソリだけはSchickでないと、どうにも使い心地がしっくりこないんです。ホテルに泊まったときなんか、使い捨てのアメニティでカミソリがついてくるでしょう。アレはダメですね。確実に血まみれになりますね。


あと、高級ブランドには興味のないぼくですが、安いこだわりがあって肌着はHanesと決めているし(首の後ろにタグがついてないので着心地がいい)、ギターの弦はダダリオに限るし(ボールエンドが色分けしてあるところが好き)、コーラはペプシNEXがいちばん好きです。

とはいえ、この辺はまだ取替えの効くところで、なかったら別にanvilのTシャツでも、アーニーボールの弦でも、コカ・コーラゼロでも、まぁ我慢できます。


どうしても取替えの効かないものがひとつだけあって、しかもぼくひとりではなく家族全員の食生活に関わる大問題があるんです。


それは醤油。

日本の味 醤油の歴史 (歴史文化ライブラリー)

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スーパーの調味料売り場にいくと、色んなメーカーから各種の醤油が出ています。刺身醤油、昆布醤油、牡蠣醤油に丸大豆醤油、淡口に濃口。それぞれ好みはあるでしょうが、うちの場合は、釜石市で作られている「藤勇醤油こいくち」。これに限ります。
[rakuten:kamaishi-tokusanten:10000072:detail]

http://fujiyu.com/

ふつうの醤油は直に舐めると塩辛さが先に立ちますが、この藤勇醤油は甘みとコクがあり、そのまま舐めても舌に刺激を与えることがありません。うちでは30年以上この醤油しか使っておらず、ほかの醤油ではどうしても味に納得がいかないんです。でも地元でしか売ってないので、釜石に住んでいる親戚に頼んで、買って送ってもらっていました。


そんな藤勇醤油ですが、今回の東日本大震災によって大きな被害を受けてしまいました。


http://www.kahoku.co.jp/news/2011/03/20110331t35047.htm

みそ・しょうゆ製造 釜石の老舗が再開期す

 東日本大震災で被害を受けた岩手県釜石市大渡町のみそしょうゆ製造、藤勇醸造(藤井徳之社長)が、業務の再開を期して設備の復旧などに取り組んでいる。支えになっているのは「食卓に欠かせない古里の味。1日も早い再起を」と願う県内外からの励ましの声だ。


 同社は1902年創業の老舗。製品はまろやかな風味が特徴で、長年愛用している固定客が多い。売り上げの約3割は県外の顧客が占める。
 震災で、工場はしょうゆの瓶詰めラインが壊れ、みそを熟成させる保管庫が浸水するなどの被害を受けた。従業員らは後片づけに精を出すが、業務再開に必要な電気、ガスはともに復旧していない。
 心配した関東地方の顧客らから、再興を祈るはがきが舞い込んでいる。市内外の取引先からの激励も相次ぐ。
 藤井社長は「震災は大きな打撃だが、うちの商品が求められていることを再認識できた。待っている人たちのためにもできる限り早く再開したい」と力を込める。
 震災後、がれきが積み上がった工場前で、在庫のペットボトル入りしょうゆを市民に無料で提供した。
 「水をかぶって売り物にはならないが、しょうゆ自体は大丈夫。慣れ親しんでくれている市民の役に立ちたい」と小山和宏専務(46)。半年後には業務再開にこぎ着けたい考えだ。(山形泰史)

ということは、少なくともあと半年は藤勇醤油が手に入らないということ。うちにある備蓄も半年分には満たないので、いつか枯渇することは目に見えています。参ったなぁ。どこかに、まろやかでしょっぱくない味の醤油はないでしょうか。

ヤマサ鮮度の一滴 特選しょうゆ 500ml

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泉昌之の『食の軍師』にも載っていた、ヤマサの「鮮度の一滴」が以前から気になっているんですが、いちど試してみようかなぁ。
食の軍師 (ニチブンコミックス)

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