同情無用

東日本大震災により、福島・仙台地検が容疑者や被告を釈放していたとのこと。


http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011032901081

大震災、宮城も30人釈放=勾留中の容疑者・被告−仙台地検

 仙台地検は29日、東日本大震災後に勾留していた容疑者と被告計30人を処分保留で釈放したと発表した。勾留の容疑は窃盗が大半。裁判員裁判対象や性犯罪といった重大事件の容疑者や被告は含まれていない。
 仙台地検によると、大震災翌日の12日から16日の間、同地検や石巻気仙沼など4カ所の地検支部管内の容疑者27人と起訴後も勾留されていた被告3人を釈放した。
 田辺泰弘仙台地検次席は「容疑者、被告の安全確保と捜査の重要性を考慮した。必要なら捜査を再開する」と述べた。
 大震災の被災地では、福島地検と郡山、いわき両地検支部も管内の容疑者33人(うち2人は別事件で勾留中)を釈放した。

30日に行われた江田法務大臣の答弁によると、釈放された人たちの容疑は、それぞれ合計で

とのこと。仙台地検は「性犯罪の容疑者は含まれていない」と発表していますが、福島地検では強制わいせつの容疑者も含まれているんですね。


この人たちは、多くが処分保留や起訴猶予なので、このまま放免ということになるのでしょう。「施設の安全が確保されたら帰って来い」なんてことにはならないでしょうね。


江戸時代には、牢屋が火事になったときは一時的に囚人を釈放し、期限までに帰ってくれば罪一等を減じるというしきたりがありました。


これをうまく利用したのが、『新必殺仕置人』第18話「同情無用」です。

新 必殺仕置人 VOL.6 [DVD]

新 必殺仕置人 VOL.6 [DVD]

江戸ではそのころ放火が相次いでいました。それとは関係なく、念仏の鉄(山崎努)は素人娘に手を出してその父親に捕まり、牢にぶち込まれてしまいます。すぐに牢内をシメ、牢名主として悠々と暮らしますが、寅の日に開催される寅の会に出席できないと、元締・虎(藤村富美男)子飼いの殺し屋・死神(河原崎建三)に粛清されてしまいます。
寅の日が迫り、鉄も焦ってきますが、ちょうど折りよく放火によって牢屋敷にも火の手が迫り、一日だけ釈放されます。これで首尾よく寅の会に出席し、仕事を競り落とす鉄なのでありました。



必殺シリーズでは、『新必殺からくり人』の高野長英近藤正臣)も、蛮社の獄で入牢していたのを放火によって脱獄しています。

新 必殺からくり人 Vol.1 [DVD]

新 必殺からくり人 Vol.1 [DVD]

史実では、薬品で顔を焼いて人相を変え、逃亡していたのですが、ドラマでは、芦屋雁之助が吹いた火で顔を焼いて逃げるという展開に脚色されていたのが味わい深い。


芦屋雁之助は、必殺シリーズには4回にわたって殺し屋役でレギュラー出演していますが、「火を吹く」「怪力で撲殺する」「頭蓋骨を砕く」などプロレス風の技が多く、『必殺仕切人』に至ってはロープを張って即席リングを作り、チョップやハンマースルーで敵を殺すという完全なプロレス仕立てになってしまったのでありました。

必殺仕切人 VOL.1 [DVD]

必殺仕切人 VOL.1 [DVD]

ちなみにこの『必殺仕切人』は、江戸にピラミッドや狼男が出現したり、念力でしゃもじを曲げるのがブームになったり、鳥人間コンテストが開催されたりするという、かなりの異色作でありました。