ワッシュに母親の血液を注射するとすぐに死んでしまうという事実 - 男の魂に火をつけろ！　～はてブロ地獄変～

2008年に、荻上チキさんのこのエントリが話題を集めました。
ちょｗｗｗｗ食育冊子ｗｗｗｗｗ - 荻上式BLOG
「牛乳を注射すると死ぬから牛乳は毒」「砂糖は化学式で表せるから食べ物じゃなくて化学薬品、つまり毒」などの、マクロビオティック系・真弓定夫系トンデモ食育言説を紹介したものです。このエントリは多くのはてブを集めたのですが、このテの言説を信じている人はまだまだ多いようです。

いまブクマを集めているのは、こちら。
【牛乳を信じるな７０ｐ】例えば、赤ちゃんに牛乳を注射するとすぐに死んでしまうと言う事実。 - NPO個人ケイ＆リルこの世界のために全日本動物愛護連合アニマルポリス動物愛護党
内容はそれほど目新しいものではありませんが、タイトルのつけ方に独特の味がありますね。「犯罪者の９８％はパンを食べているという事実」とか「田原俊彦を鉄アレイで殴り続けると死ぬという事実」とか「世の中には10種類の人間がいる。2進数を理解する人間としない人間であるという事実」とか、いくらでも応用が利くと思います。

このブログ主は、動物愛護の観点から菜食主義や毛皮排斥を訴えているようですが、なぜかレイプ事件容疑者の晒し上げ記事も書いていたり、女子高生コンクリート詰め殺害事件の紹介サイトへリンクを貼ったりもしていて、スタンスがいまいち掴みづらいですね。

このテの人には、よく「植物は殺してもいいの？」というツッコミが入りますが、ブログ主のプロフィールページにはこんなことが書いてあります。

ごくまれに、とても勘違いしている人がいますね。
「植物だって生きている。」　そんなお決まりのセリフがどれだけ
　重みも意味もないのかを分かって欲しい。
植物の命を言い訳に使ってまで動物を食べ続けたい訳です。
この一つ覚えのセリフを当たり前の様に軽々しく使う人には、残酷な人が多いようです。

ごめん、いっこも意味わかんねえ。

そりゃね、肉や牛乳を生産するために多量の穀物が必要で、地球の全人口に充分いきわたらせることはできない、ってのはその通りだと思いますよ。でも、それは「肉を食べる人は残酷！」とか「乳牛はかわいそう！」とかいう感情論とは別の問題です。

乳牛のえさには乳を大量に分泌させるためのホルモン剤が含まれていて、その牛乳が、飲んだ人の健康に影響を与える可能性も指摘されています。
アメリカの女子高生に巨乳が多いのは病気か？ - 映画評論家町山智浩アメリカ日記
とはいえ、これも因果関係が科学的に立証されたわけではありませんけどね。ましてや、「牛乳は異種たんぱくだから人間の体に悪い」なんてのはヨタ話以外の何ものでもありません。

範馬勇次郎だって、こう言ってることですし。

いつの間にこんな人になったんだこのオヤジは。

ブログ主によれば、「牛の赤ちゃんに人間の母乳を注射すると死ぬ」というのは実験で立証されているそうですが、どこでそんな無意味な実験をやってたんでしょうか。というか、そもそもこのブログ主は、動物実験を残虐行為として批難しているのに、自分に都合のいいときだけその成果を利用するというのは、それこそ動物の命を私利私欲のため利用していることにならないんでしょうか。

ましてや、「人間の赤ちゃんに牛乳を注射したら死んだ」なんて、そんな実験がどこの世界にあるんだよ！　ナチスとか731部隊か！